すぎもとまさと「アラ還」「アラ古希」の男に寄り添う新ジャンルを確立(MusicVoice)

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 “団塊の世代”(1947~49年生まれ)が全員70代に突入した今年、同世代のシンガーソングライター・すぎもとまさとへの注目が再び高まっている。  1949年、東京生まれのすぎもとは作家集団での活動を経て75年にソロデビュー。自身の音楽活動と並行して作曲家としても活躍し、小柳ルミ子「お久しぶりね」(83年)、ちあきなおみ「かもめの街」(88年)、桂銀淑「ベサメムーチョ」(95年)などのヒット曲を持つ。2007年に本人の歌唱で発売された「吾亦紅」はオリコン2位の大ヒットを記録。亡き母に捧げた哀悼歌である同作は「泣ける唄」として評判を呼び、当時58歳の彼に『紅白歌合戦』初出場をもたらした。  そのすぎもとが10月7日にリリースした4年ぶりのアルバム『STAND by MY SONGS』が好調だ。石川さゆりや秋元順子など、他の歌手へ提供した楽曲のセルフカバー8曲を含む全14曲。いずれも男女の機微を繊細に描いた詞世界と哀愁を帯びたメロディで、少ししゃがれた、味のあるボーカルも聴く者の心を捉えて離さない。  人間関係が濃密だった昭和の香りを漂わせる“すぎもとワールド”は円熟の域に達しており、同アルバムは発売直後にオリコンチャート入り。曲ごとにカントリー、フォークロック、ジャズ、ラテンミュージックなどの要素を採り入れた多彩なサウンドも聴きどころで、これまでの作品と同様、ロングセラーとなることは確実だ。  現在の音楽シーンは若者向けのラブソングやダンスミュージック、アニソンなどが主流で、中高年やシニアに向けた楽曲は演歌以外ほとんどない。そんな状況のなか、「生老病死」の「老」「病」「死」をもテーマにして感動を誘うすぎもとは稀有な存在と言っていい。余命いくばくもない主人公が妻への思いを吐露する「最後の桜」や、やんちゃな男を亡くした母(姑)と妻(嫁)の心情を綴った「夕暮れ文庫(ものがたり)」など、ともすれば重くなりがちな歌に救いや希望が感じられるのも、すぎもとならではの魅力といえよう。  今回のアルバムには、人生の秋を迎えた男を、ある時は叱咤し、ある時は見守る、情の深い女性が登場する曲が複数収められているほか、五木ひろしが紅白で2回歌唱した人生讃歌「VIVA・LA・VIDA!~生きてるっていいね!~」のセルフカバーも収録。「アラ還」「アラ古希」のリスナーに生きる気力を与える作

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(2020/11/05)