インドが「対中離反、対米接近」する理由。日本との安全保障協力強化も(LIMO)
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モディ首相は以前にインド太平洋構想について、「排他的なものであってはならない」との姿勢を示し、2017年にはマラバールへの参加を打診したオーストラリアの要請を拒否したことがある。その当時は経済的側面から中国に対する配慮があった。
しかし、時が経つにつれ、その態度にも徐々に変化が見えるようになった。
たとえば、去年の4月~5月にかけて実施されたインド総選挙で圧勝したモディ首相は、第2次政権最初の外遊先としてインド洋のモルディブとスリランカを訪れたが、その背景には両国やインド洋で影響力を高める中国への警戒心があった。
中国は、モルディブとスリランカだけでなく、同じくインド洋に面するミャンマーやパキスタンへも経済協力を武器にテコ入れを強化しており、モディ首相はインドを包囲するかのような中国の外交手法「真珠の首飾り戦略」に不信感を強めてきた。
そして今年6月、印中国境での両軍の衝突によってインド兵士20人が死亡した出来事は、モディ首相の対中不信を決定的なものにした。
印中国境付近で犠牲者が出るのは45年ぶりだが、その後、インドはティックトックやウェイボーなど中国企業が運営する59のアプリ使用を禁止すると発表し、モディ首相が2015年4月から使ってきたウェイボーのアカウントも削除された。