都倉俊一 ゴルフの昼食でも、さらりと「うな重」 昭和歌謡の職人たち・伝説のヒットメーカー列伝(夕刊フジ)

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 【昭和歌謡の職人たち 伝説のヒットメーカー列伝】  『ペッパー警部』『渚のシンドバッド』『UFO』といったピンク・レディーの一連のヒット曲で知られる都倉俊一さん。彼女たちは『スター誕生!』(日本テレビ系)から出てきた静岡出身のフォークデュオだが、デビューはなんとミニスカートに奇抜な振り付けで登場した。 【写真】紅白歌合戦「蛍の光」で指揮を務める都倉俊一氏  その辺りの話を86年ごろ、作詞した阿久悠さんから、「企画がレコード会社で通らないので、企画書の段階から綿密に書いた。都倉さんにタイトルはこんな感じと伝え、曲ができると歌詞をいれた。都倉さんは振り付けまでイメージして振付師に伝えたそうだ」と貴重な話を聞いた。  彼女たちの踊りは今までのアイドルとは違っていた。リズムも難しく単純に4拍子では踊れない。ブレークもあれば、シンコペーション(強弱拍を変化させる)もある。それでも、日本中の女の子がテレビの前でまねて歌い踊った。  都倉さんの作曲家デビューは69年。中山千夏の『あなたの心に』だ。シンプルな4行詞は若者の純な気持ちを素直に表現しており、ヒットした。77年、兄弟デュオの狩人の『あずさ2号』もヒット。中央本線あずさ2号は一躍注目された。  都倉さんは48年、東京生まれ。父親は外交官で米国、欧州の大使を務めた事情で、子供の頃から海外で教育を受けてきた。ドイツでは、日常の中でクラシック音楽やオペラを聴く環境だったという。  母親からはクラシックピアノの影響を受け、さらにビートルズに触れたというから、多感な青春時代に、両極の音楽を皮膚感覚で身につけていったのだ。『ペッパー警部』も『あずさ2号』も、都倉さんの青春時代の音楽環境が表現されたものであろう。  70年代後半に横浜・戸塚のゴルフ場で、会社の作家招待のゴルフコンペで初めてお会いした。スラリとした長身でゴルフもプロ並みである。育ちの良さというか、独特のたたずまいがにじみ出て、近寄りがたかった。  昼食の時間、社員は作家の方々に注文を聞いて回った。都倉さんはさらりと「うな重」を頼まれたが、遠慮気味だった他の方は、声には出さないが表情が硬くなったのを記憶している。  2017年からは『NHK紅白歌合戦』の『蛍の光』の指揮者に就任された。  ■都倉俊一(とくら・しゅんいち) 作曲家。1948年6月21日

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(2020/11/05)