春風亭きいち、1人でできる強み生かした“デリらく” 北海道や愛媛へ、痛い目に遭ったことも(夕刊フジ)

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 落語をご要望の場所へとデリバリーするから“デリらく”。落語家、春風亭一之輔(42)の一番弟子、春風亭きいち(32)が発案し、コロナ禍の3月末から実施してきた。  「お客さんの前で落語がしゃべれないことがストレスになっていた。とにかく誰かに聞いてもらいたかったんです」と胸の内を明かす。  必要な道具は、座布団に手ぬぐい、扇子。落語という芸能の身軽さを生かし、自宅や職場に落語を出前する。ホームページを立ち上げ、ツイッターとフェイスブックで告知をすると、落語を初めて聞くという方からもオーダーが届いた。  「半年間で約60回。月平均10回ぐらい行きました。乱暴なお兄さんが出てきたらどうしようとかリスクも考えましたし、周囲に『裸のお姉さんが出てきたらどうすんだ』とか言われましたが、そんなことは一度もありませんでした」  普段から密を避ける暮らしを心掛け、「出かける前にシャワーを浴び、移動は自転車。現場に着いたらアルコールで消毒して、家の中では窓を開けてと可能なかぎり、注意を払いましたね」  客はひとりから、企業の昼休みで30人ぐらいなどさまざま。愛媛県の病院、北海道・恵庭の寺からも声がかかった。  「愛媛は飛行機が1日1便しか飛ばない時期だったので、2泊しました。北海道ではお寺の本堂に泊めてもらいました」といい思い出だ。  痛い目にも遭った。「すっぽかしです。夜8時に病院に呼ばれたんです…。前日に確認のメールをするんですが、返事がなかったので怪しいとは思ったんですけど」。被害をツイッターでつぶやくと「それじゃうちでやりましょう、という声をいただく一方、イタズラが増えました。模倣犯みたいな」と振り返る。  2014年、26歳で入門する前は、「俳優・小林ユウキチ」として映画やドラマに出ていた。  「役者って、脚本がないとダメ、カメラがないとダメ、監督がいないとダメと1人じゃ何もできない」との思いから、1人で芸ができる落語への憧れが募り、10年間の俳優のキャリアをリセットした。  1人でできる、その強みを生かした“デリらく”。10月31日でいったん看板を下ろしたが、注文があればどこへでも出かけるのが落語家。「お客さんにも、環境にも動じなくなりました。度胸がついた。それがいちばん大きな収穫ですね」

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(2020/11/05)