新型コロナで苦境の伝統工芸 SNSに活路(産経新聞)

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 新型コロナウイルスの影響で苦戦を強いられている京都の伝統工芸店や老舗店舗が会員制交流サイト(SNS)に活路を求めたところ、一転、注目を集めて売り上げ増につながるケースが目立っている。自粛で対面販売が振るわない中、ツイッターでの投稿が話題となりネット販売が前年同月比で約千倍になった店舗も。伝統工芸と対極にあるSNSの融合が新たなビジネスモデルを生み出している。(秋山紀浩) 【写真】螺鈿が施された色鮮やかな指輪  《無数の貝が宝石のように光ります。職人の手間暇をかけて丁寧に作られた商品です》  8月、虹色に輝く貝殻のかけらを使った装飾「螺鈿(らでん)」が施されたネックレスの画像とメッセージがツイッターに投稿されると、次々と称賛の声が寄せられた。《本当に繊細な技》《すてきな作品》《見入ってしまった》  ツイッターに投稿したのは、観光地として有名な京都・嵯峨で螺鈿のネックレスなどを製造する「嵯峩螺鈿・野村」の職人、野村拓也さん(33)だ。  同店では、緊急事態宣言が出た4月から対面での売り上げがほぼゼロとなり、その後も客足が戻らない中で、起死回生の一手として試したのがツイッターだった。  7月半ばに個人アカウントで投稿を始めたところ、瞬く間に投稿が話題に。開設2週間でフォロワー数は3千近くになり、9月には2万まで達した。  ツイッター人気に合わせてオンラインストアの売り上げも急上昇。昨年8月は8316円だったのが、今年8月は約千倍と急増した。9月以降も売り上げは好調に推移し、注文も次々に入っているという。野村さんは「職人の日常が世間では非日常なのだと改めて実感した」と話し、「SNSでの発信が伝統工芸職人の新たな希望になるのでは」と期待を込めた。  明治34年創業の風呂敷・ふくさメーカー「宮井」(京都市下京区)も、展示会やワークショップなどが中止・延期となり苦境に立たされたが、風呂敷をエコバッグとして使うスタイルを投稿したところ、3万件以上の反応があった。  「レジ袋有料化のタイミングもあり、予想外の反響があった。デザインを気に入ってくれた人も多く、うれしい限り」と広報担当。オンラインでの売り上げも7月以降、例年の約3倍で推移しているという。  こうした伝統工芸とSNSの可能性について、立命館大の菊盛真衣准教授(マーケティング論)は「伝統工芸品が持つ本来

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(2020/11/05)