大竹しのぶ「めぐり合えて、幸せだなあって」 「女の一生」初挑戦(産経新聞)

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 日本演劇界を代表する不朽の名作「女の一生」(森本薫作)の主人公、布引(ぬのびき)けいといえば、文学座の大女優、杉村春子の当たり役として知られる。その大役に、舞台女優としてますます円熟味を増している大竹しのぶが、東京・新橋演舞場で初挑戦している。プレッシャーもある中で「私なりのけいを」と、思いを語った。(水沼啓子)  今年は新型コロナウイルス感染拡大のため、舞台の世界も甚大な影響を受けた。4月に出演予定だった「桜の園」も直前で中止に。「あの時の喪失感というのは…。こんなに面白い芝居が見てもらえず、舞台セットもすべてが散っていく。あの悲しさは一生忘れられないと思います」と振り返った。  「女の一生」で本格的に再始動した形だ。ただこの作品、実は「読んだことも見たこともなかった」という。「有名なせりふしか知らなくて。こんなすてきなお芝居だったんだ。本当、こういう役にめぐり合えて幸せだなあって」  「一生懸命、一日一日を生きる」けいの姿に共感したという。「けいのせりふにある『誰が選んでくれたのでもない、自分で選んで歩きだした道ですもの。間違いと知ったら自分で間違いでないようにしなくちゃ』という考え方は好きだし、自分もそう思って生きてきたと思います」  けいは、昭和の演劇史に大きな足跡を残した文学座の大女優、杉村春子の当たり役だ。杉村はけいを947回も演じた。「私なりのけいを演じなくてはと思っています。多少のプレッシャーはありますけれど、大丈夫。がんばります」。公演を前に自分を鼓舞するかのように話した。  過去の「女の一生」の舞台映像は、最初の一幕のみを見た。「(杉村の演技を)なぞってしまうといけないので。自分のけい像ができてから、ちょっと余裕があったら見ようかな」  戦争孤児のけいが拾われる堤家の長男の伸太郎を段田安則(だんだ・やすのり)、次男、栄二を高橋克実、叔父の章介を風間杜夫(かざま・もりお)が演じる。段田は演出も務める。  段田とは、「立派でけなげで一生懸命生きている、そんなけいだけど、嫌なところもある。すべてのお客さまに好きと思わせないほうがいいよね」と、演出について話し合ったことを明かした。劇中では、10代後半から50代後半まで演じることになる。「一人の人間の人生をたった数時間で表すことができる喜び、役者としての幸せは、挑戦でもあるけれど一番面白い

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(2020/11/05)