2050年の世界エネルギー展望 コロナ禍で構造変化の可能性(SankeiBiz)

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 □日本エネルギー経済研究所専務理事・小山堅  コロナ禍の影響で足元の国際エネルギー情勢が激動する中、将来の展望はますます難しくなっている。多くの不確実性や不透明な要素が山積する中、遠い将来を正確に予測するのは事実上不可能である。それでも、さまざまな可能性を考慮し、一定の前提を置いて将来のシナリオを描くことは、エネルギー政策や企業戦略の立案にとって、基本指針を考える上で極めて重要だ。  日本エネルギー経済研究所も、その一助となるべく世界の長期エネルギー需給見通しを毎年発表している。最新の「IEEJアウトルック2021」ではコロナ禍で世界が変容するシナリオ、化石燃料の脱炭素化に焦点を当てたシナリオなどの特別分析を実施した。  この見通しでは、コロナ禍の影響を勘案せず世界は現状の趨勢(すうぜい)のまま進むと想定すると、世界のエネルギー需要はアジアを中心に拡大、50年には18年の1.3倍に達する。化石燃料の需要も引き続き堅調に伸び、世界のエネルギー供給の大宗の地位を保つ。  ◆存在感増す印・ASEAN  しかし、コロナ禍の影響下で、自由貿易や最も経済効率の高いグローバル供給チェーンを最優先するのでなく、自国民や自国経済を守るため自国第一主義が広がり、安全保障がより重視されると、世界経済は成長率が低下、弊所のシナリオでは、50年の世界のエネルギー需要は基準見通しより4%低下する。地域別には、供給チェーンが流出する中国で成長減速が強まり、流入するインド、東南アジア諸国連合(ASEAN)が経済・エネルギー需要面で存在感を一層高める。  エネルギー需要が下押しされる中、特に石油はヒト・モノの移動が情報通信技術やデジタル化の活用で代替される社会変容のため、需要が長期的に低下する「石油需要ピーク」を迎える。今回のシナリオでは、基準見通し対比で50年には日量1400万バレルの需要低下となる。石油依存型の産油国にとって重大問題で、彼らの経済多様化・高度化は待ったなしの課題となる。  石油需要ピークをもたらす情報通信技術とデジタル化の進展は、エネルギー全体における電力の重要性を一層高める。このシナリオでは、50年における電力比率は基準見通しより2ポイント上昇する。重要性増す電力を安定的に、手頃な価格で、環境に適合した形で供給することが重要課題となる。  このシナリオでは、各

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(2020/11/05)