米軍基地負担軽減が本格化 返還で地元振興も(産経新聞)
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沖縄県の米軍基地統合返還計画で基本計画の見直しが近く日米で合意することが、判明した。牧港補給地区(浦添市)は日米両政府が平成25年に合意した嘉手納基地(嘉手納町など)以南の6つの米軍基地・施設の統合返還計画の柱だ。南北3キロ、東西1キロに及ぶ敷地が返還されれば跡地利用で地元振興につながる。統合返還計画は3段階に分かれ、牧港の倉庫地区の返還は第2段階にあたり、第2段階では人口が集中する沖縄本島中南部の基地負担軽減が本格化する。
【地図で見る】沖縄嘉手納基地など
統合返還計画のうち大規模な機能を移設する必要のない第1段階は(1)キャンプ瑞慶覧(ずけらん)(北谷町など)の西普天間住宅地区(2)瑞慶覧の別の区域(3)牧港補給地区の進入路など-が今年3月までに返還され、目標に掲げた令和元年度に完了した。
菅義偉首相は官房長官時代の平成27年、西普天間住宅地区の返還式に出席。首相就任後初の所信表明演説でも「沖縄の基地負担軽減に取り組む」と述べ、統合返還計画を重視している。
ただ、第1段階の返還面積は約70ヘクタールで、統合返還計画で予定する返還面積約1千ヘクタール(東京ドーム約220個分)のごく一部にすぎない。大規模な機能の移設が前提の第2段階が重要だ。
第2段階の中心が牧港補給地区の倉庫地区と那覇港湾施設(那覇軍港、那覇市)で、普天間飛行場(宜野湾市)も第2段階に組み込んでいる。在沖米海兵隊の国外移転が前提となる第3段階も経て、この3つの施設と基地の全面返還が実現すれば返還面積は約800ヘクタールに上る。
那覇市の中心部に位置する那覇軍港も、牧港補給地区と並んで地元では跡地利用が期待されている。
那覇軍港の機能は牧港補給地区の沿岸にある浦添埠頭(ふとう)地区に移設する計画で、軍港の代替施設の設置位置をめぐる政府と地元の調整は難航していたが、今年8月に設置位置が確定した。軍港移設は普天間飛行場の名護市辺野古移設と同様に海面の埋め立てを伴うため、政府が県から埋め立て承認を得られるかが次の焦点となる。(半沢尚久)