原巨人連覇の軌跡(上)「即断」の指揮官、チームに緊張生む(産経新聞)

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 原監督は9月、監督通算1067勝を挙げて球団最多勝利数だった川上哲治氏の記録を超えた際、チーム作りの信条についてこう答えた。  「チームの和を作るのは、実力至上主義。力のある人を1軍に、スターティングメンバーに使う」  言葉通り、育成出身で昨季まで1軍未出場の松原を積極起用し、右翼の主力にした。育成から5人を支配下登録し、全員が1軍でチャンスを得る一方、陽岱鋼ら実績がある選手でも、結果次第では容赦なく出場選手登録を外した。めまぐるしく先発メンバーは入れ替わり、4番の岡本以外はさまざまな打順を経験。全員が自分次第で出番を手にすることも失うこともある状況を作り、緊張感を生んだ。  新型コロナウイルスによる過密日程でも、何より「一戦必勝」を貫いた。9月21日の広島戦では、先発の直江を4点リードの五回途中にピンチを招いたところで降板。高卒2年目右腕のプロ初勝利より、チームの白星を優先させ、周囲を驚かせた。即断即決で次々と手を打ち、1人の打者を抑えるために、打席の途中で投手を代えた采配も2度あった。  今季途中にヘッドコーチ代行を務めた阿部2軍監督は「決断力がすごい。決断を速くすることでチームがうまく回る」と話す。常に先の塁を狙う姿勢を徹底し、エンドランなど足を絡めた作戦も多用した。終盤には、代走で快足の増田大を起用し、同点、逆転の場面を何度も演出。指揮官の“勝負手”として機能させた。  チーム打率は2割5分6厘(31日現在)でリーグ3位。規定打席到達選手で打率3割以上は一人もいないが、選手の適材適所を見抜いた積極采配でリーグトップの506得点(同)を稼いだ。ベンチと選手が一丸となってつかみ取った戴冠(たいかん)だった。  原監督率いる巨人が、セ・リーグで2年連続38度目(1リーグ時代を含むと47度目)の優勝を達成した。2位以下に大差をつけた今季の戦いを振り返る。

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(2020/11/02)