ホンダeは本当に買いか?──万人受けするクルマではないけれど(GQ JAPAN)
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そもそもホンダeとは、欧州のCAFE(企業別平均燃費基準)対策に向けて開発されたホンダ初の量産電気自動車(BEV)だ。この排ガス規制は2021年からさらに強化されることが決まっており、CO2排出量が95g/kmを超えると高額な罰金が課せられる。最新型のフィットでも1.3リッターのNAモデルでは110g超、ハイブリッド仕様でどうにかクリアできるレベルであり、既存の内燃エンジンモデルでは到底クリアすることは難しい。近年、欧州メーカーがこぞってプラグインハイブリッド(PHEV)やBEVを市場投入しているのはこうした理由からだ。
ある程度の販売台数を稼ぎたいとなれば商品企画としては、テスラをはじめメルセデス、ポルシェ、アウディが先行するプレミアムセグメントではなく、自ずとシティコミューターとしてのコンパクトなBEVということになる。欧州市場ではこれまでにもスマートベースのEVであるスマートEDや日産リーフのコンポーネントを活用したルノー ゾエといったコンパクトBEVが街を走っており、充電インフラも徐々に整いつつある。ホンダeの年間目標販売台数は欧州が1万台なのに対して、日本は1000台というのも、欧州の規制対策を見据えてのものだ。
ホンダeの開発責任者である一瀬智史氏は、開発の狙いをこう述べていた。
「ホンダとして後発でBEVを世に出す以上、従来からある競合他社と同じようなモデルでは意味がないと考えました。先進的で質感の高い、AとかBといったセグメントではくくれない、ヒエラルキーレスなクルマにしようと。ですから既存のプラットフォームを使うようなことはせず、BEV専用のものをイチから開発しました。まだ具体的なものは何もありませんが、今後いろんなモデルに使われることを想定して、バッテリーを床に配置して重心を低く、前後の重量配分は50:50に、全幅はこれくらいかなと決めて、あとはフロントにモーターを置いて4WDにも対応できるようなフレキシブルさをもたせています。ホンダeは、街中ベストを狙って小回り性能を高めるためにRR(リアモーター・リアドライブ)にしましたが、結果として運転してとても楽しいクルマになりました」
初代シビックへのオマージュともいわれるエクステリアデザインは、ボディパネルに大きな凸凹がなくとてもシンプルだけれど、一対になった丸型のヘッドライトとテールライトが