アーモンドアイと「愛」の疾駆 ルメール騎手「特別な日」(産経新聞)
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中央競馬の第162回天皇賞・秋(GI)を制したのは、昨年に続きアーモンドアイだった。芝のGIレース8勝目は史上初の快挙だ。
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歴戦の士、ルメール騎手の目には涙が光っていた。「プレッシャーを少し重く感じていた。きょうはグレートな一日。日本競馬にとって特別な日になった」。天皇賞・秋の連覇で、アーモンドアイが海外を含め、芝コースでのGIレースで史上初の8冠を達成した。
国枝調教師が「ゲートでは落ち着き、スタートはスムーズ。4、5番手につけ、万全だった」と言うように、直線でも先頭を行き、すんなり勝利かと思われた。
だが、ゴール前、大ピンチに見舞われていた。脚色が急速に鈍ってきていたのだ。「前の馬が早くバテたので、直線400から500メートルくらい伸びていた。だから、坂を上って最後は馬場の中でフラフラしていた」とルメール騎手。
後続に迫られながらも馬の力を信じ、持てる技のすべてを使った。内側によれると、右手のステッキを左手に持ち替える瞬時の判断で態勢を立て直した。「僕の仕事はミスしないで乗ること」と力説した。
勝った瞬間、思わず馬の首筋に頬ずりした。「アーモンドアイを愛している。この馬ならいつも勝つ自信がある。パートナーを組めて本当にうれしい」
とはいえ、愛が永遠でないのは世の常。アーモンドアイが実戦を積めるのはオーナーサイドの規定により来年3月までとされる。次戦はまだ決まっていないが、ルメール騎手はラストランまで愛を貫く。(佐竹修仁)