【ホラー映画コラム】「マシニスト」役者がギリギリまで己を追い詰め、製作者もそれに応え、それぞれが一流の仕事をやり切っている。(映画.com)
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Twitterのホラー界隈で知らぬ者はいない人間食べ食べカエル氏(@TABECHAUYO)によるホラー映画コラム「人間食べ食べカエル テラー小屋」では、“人喰いツイッタラー”が、ホラー映画専門の動画配信サービス「OSOREZONE」の配信中のオススメ作品を厳選し、その見どころを語り尽くす! 今回は、過激な役作りで知られるクリスチャン・ベールが、文字どおり命を削って撮影に臨んだ「マシニスト」をご紹介。
機械工のトレヴァー(クリスチャン・ベール)は、不眠症に悩まされ既に1年間も寝ていなかった。その影響で彼は病的に痩せ細り、恋人からも「そのままじゃ死ぬわよ」と忠告される始末。そんなある日、彼の働く工場に謎の男が現れる。それ以来、トレヴァーの周囲では不可解な出来事が頻発。ただでさえ危うい彼の精神は更に焦燥していく……。
今更こんなことをいうのもあれだが、クリスチャン・ベールは名優だ。「リベリオン 反逆者」では、ガン=カタが注目されることが多いが、彼の抑制された感情が次第に漏れ始める様を繊細に表現した演技も十二分に素晴らしかった。あの名演があったからこそ、現在に至るまで語り継がれる名作となったのだ。しかし、そんなクリスチャンが心配になることがある。何が心配かというと、彼の体だ。個人的に、彼はトム・クルーズに次いで心配なハリウッド俳優である(※トムはスタントでいつ死んでもおかしくないのでぶっちぎりの1位です。)クリスチャンはトムのようなスタント狂いなわけではないが、とにかく自らの体を追い込む。役作りの為に体重を激しく増減させ、筋肉をつけては落とす。映画によって異なる見た目になる俳優は多い(というかそれが当たり前か)が、映画に合わせて肉体そのものを別人のように変化させる俳優は中々いない。クリスチャンはその中でも別次元の肉体変貌を見せる。文字通り、命を削って役に入り込む俳優なのである。
「マシニスト」は、そんなクリスチャンが初めて本格的に肉体を変貌させたサスペンススリラーである。本作では、彼は体重増減の「減」に全振りした。あらすじにも書いた通り、1年以上も不眠症に悩まされ続ける男という役柄なのだが、クリスチャンは、その不眠症の過酷さを自らの体型で見事に表現。全身に骨が浮き出るほど痩せ細った身体は、夢に出るほど強烈だ。それをおどけながら見せつける冒頭のシーンはあまりにも