量子物質で遊べるWebカメラみたいな環境、できました(ギズモード・ジャパン)

【リンク先抜粋】
まず「量子物質」とは何なのかってことですが、このColdQuantaの発表では、ルビジウム原子数万個を絶対零度近くまで冷却したものを指します。次に「クラウドに乗せた」とは、Web越しにいじれる状態にしたってことです。ただしそこにアクセスするには、ここからColdQuantaに申込んで、許可が必要です。 冷却したルビジウム原子は、常温のときとは違い、量子的振る舞いをします。つまり粒子と波、両方の性質を持っているということです。そんな動きを、Web上でユーザー自身が操作しながら、インタラクティブに観察できるんですね。 「誰でも量子物質で遊べるんだと示したいのです」ColdQuantaのチーフテクノロジーオフィサー・Dana Anderson氏は言います。「この奇妙で難解な、科学者や量子コンピューティング研究者が作ったものに、あなたもアクセスできるのだ、と。」現段階でアクセスできるのは、バグ洗い出しのために欧米の100ユーザーに限定されていますが、ColdQuantaはその後対象を拡大していくと言ってます。 ColdQuantaは、ルビジウム原子とハードウェア、ソフトウェア含めたこのシステムを「Albert」と呼んでます。Albertのご本尊であるルビジウムのものすごく冷たい原子は、コロラド州ボルダーにあるColdQuantaの研究室内のガラス容器に入っています。ColdQuantaの科学者/エンジニアたちはそこにレーザーや磁石などの機器をつないで、ルビジウム原子をネット越しにいじれる環境を作りました。ブラウザ上でボタンを押すと、実際に研究室にある機器が動いて、原子に何かしらできるって仕組みです。 Albertでできることは、ガラス容器の中のルビジウム原子を拡大して見たり、電磁場を作って原子がそのバリアを通ってくるところを撮影したり、原子を気体から「ボースアインシュタイン凝縮」という状態に変化させたり、といったことです。原子の波を相互に干渉させたりして(池の中で波と波がぶつかると跳ね上がったり、逆に深く落ち込んだりする部分ができるように)波の性質を観察することもできます。ある意味パンダとかの動物を観察できるWebカメラと似てますが、Albertの場合の「動物」は、人間の髪の毛よりも細い、そして極めて冷たい量子なわけです。

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(2020/10/31)