古代エジプト、頭に載せた謎の物体と巨大葬儀ビジネスの証拠を発掘【古代文明、謎の魅力】(ナショナル ジオグラフィック日本版)

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 古代エジプト美術には、頭に円すい形の「何か」を載せた人々が登場する。謎めいたこの物体は、1000年以上にわたりパピルスの巻物やひつぎに広く描かれ続けた。 写真:発掘された女性の遺骨、円すい形の物体が頭に載せられている  しかし、長らく発掘されなかったため、実在したかどうかもわからず、一部の学者はやがて単なる象徴にすぎないと考えるようになった。キリスト教美術の聖人や天使の絵に描かれた光背のようなものだ。  ところが、ある国際的な考古学チームが、意外な場所で円すいを発見する。一般市民の共同墓地だ。エジプトの考古学では、ずっと王墓の碑文や埋葬品を発掘することが中心で、一般市民の墓地で価値あるものが見つかることは少なかったのだ。この論文は2019年に学術誌「Antiquity」に発表された。  発掘した場所は古代エジプトの都市アマルナ。ツタンカーメンの父とされるアクエンアテンが紀元前14世紀に急いで建設し、わずか15年ほどで放棄された首都だった。当時の人口は約3万人。豪華な墓地に埋葬された上流階級層は10%ほどで、残りの一般市民は質素な墓地に埋葬された。  英ケンブリッジ大学が主導するアマルナ・プロジェクトのメンバーたちが円すいを発見したのは、実は2009年のこと。すでに発掘調査から10年以上たっているが、オーストラリア、モナシュ大学の考古学者で、プロジェクトのアシスタントディレクターを務めるアナ・スティーブンス氏は、円すいを発見した日のことをはっきり覚えている。  そのとき、「これはたぶん円すいよ!」とプロジェクトメンバーのメアリー・シェパーソン氏が叫んだ。スティーブンス氏が駆け寄ると、女性の頭蓋骨の上にそれはあった。 「私たちがそれまでほかの墓地で見てきたものとは全く違いました」とスティーブンス氏は振り返る。古代エジプト美術でよく目にする奇妙な円すいにそっくりだった。その後、性別不明の大人の墓地からも、別の円すいが発見された。

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(2020/10/31)