三菱スペースジェット、開発凍結 泉澤社長「一旦立ち止まる」、納期見えず(Aviation Wire)
【リンク先抜粋】
三菱重工業(7011)は10月30日、納入が7年遅れているジェット旅客機「三菱スペースジェット(旧MRJ)」の開発を、事実上凍結したことを正式発表した。「一旦立ち止まる」と独特の表現で明らかにし、国が機体の安全性を証明する「型式証明(TC)」の取得に必要な文書作成は続けるものの、飛行試験は中断。6度もの延期で2021年度以降としていた納期について、三菱重工の泉澤清次社長は30日のオンライン会見で、「納入時期は設定していない」として、航空会社への引き渡し時期は見えておらず、幻に終わる可能性が現実味を帯びてきた。
スペースジェットは、2019年6月にMRJから名称を改めたリージョナルジェット機。MRJは2008年に開発がスタートし、当時のラインナップは、メーカー標準座席数が88席の標準型「MRJ90」と、76席の短胴型「MRJ70」の2機種構成だった。改称後はMRJ90を「SpaceJet M90」に改め、米国市場に最適化した機体サイズの70席クラス機「SpaceJet M100」をM90を基に開発する計画だったが、今年5月にM100の検討作業は中断。今回の発表で2021年度から3年間の開発費は200億円と、過去3年間の3700億円から大幅に削減され、M90の開発も凍結された。泉澤社長は「M90は一旦立ち止まる」と説明した。
TC取得の見通しについて、泉澤社長は「いついつとお話出来る状況ではない」とし、現時点で開発完了が見通せず、量産化も難しい状況だ。自身の経営責任については、「期間が長くなってしまい、開発が遅れているのは申し訳ない。都度都度の判断は適切に議論して決めている。誰か特定の人に責を科すものではないと思う」と、三菱重工としては特定の個人が責任を取る考えがないことを示唆した。また、事業撤退の可能性については、「仮説に答えても意味がない」とした。
今年3月末時点の総受注は287機あるが、このうち確定受注は163機。初号機を受領予定である全日本空輸(ANA/NH)などを傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は、2008年にローンチカスタマーとして確定発注15機とオプション10機の最大25機を発注し、日本航空(JAL/JL、9201)は2014年に32機すべてを確定発注している。
当初計画では、ANAは2013年から、JALは202