本国アルジェリアでは未だ上映できず 女性弾圧にファッションで抵抗する主人公描く「パピチャ」監督が語る実体験(映画.com)

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 1990年代、アルジェリア内戦時のイスラム原理主義による女性弾圧の実態を、ファッションデザイナーを志す大学生の視点を通して描き、第72回カンヌ国際映画祭ある視点部門で上映されて称賛を集めるも、本国では当局によって上映禁止となった「パピチャ 未来へのランウェイ」が10月30日公開される。自身の実体験を交えた本作で長編デビューしたムニア・メドゥール監督に話を聞いた。 【動画】「パピチャ」本編映像  自由と未来をつかみ取るため、命がけともいえるファッションショーの開催を決意する主人公、ネジュマの姿を活き活きと描いた。祖国を離れざるを得なかったメドゥール監督は、自身とは逆の立場の女学生を主人公にした。  「私の父は映画監督で、そのために私自身は望まなかったにもかかわらず、家族の問題で自分の意志とは関係なく祖国喪失のような形でフランスに行きました。友達とも離れ、フランスやヨーロッパというはじめての世界、新しいライフスタイル、新しい文化、というのは10代の私にとっては決してウキウキするものではなく恐ろしいものでした。その時の感情を思い出し、記憶を取り戻す中で、アルジェリアに残るヒロインを描こうと決め、ネジュマには私と正反対の決断をさせたのです。そして、この映画が撮れたのはアルジェリアからフランスに行き、少し客観的にアルジェリアを見ることができるようになったからだと思います」  劇中では、アルジェリアを離れてフランスに渡ることを望む人物も登場する。フランスに渡ったアルジェリア人のその後の暮らしについて、監督自身の体験を交えながらこう振り返る。  「私は何も持たず、命からがら祖国を離れました。危険が身近にやってきていたのです。明日まで待っていられないくらいの緊急性がありました。しかもアルジェリアで培った文化、教養が役に立たないフランス社会に入り、フランス語を学びなおしました。そのため、アルジェリアから渡った人たちは、もう一度文化を学びなおしフランスに同化するため努力をしたと思います。私も大学に行き続け、研修生となり、ドキュメンタリーやルポルタージュを撮り、フランスの社会に順応しようとしました。しかし、順応できた人もいれば、順応できなかった人もいます。それは年齢によるものもあると思います。20歳代の私たちと40歳、50歳代の人たちが新しい社会に飛び込むのとは違うのかもしれ

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(2020/10/29)