化学物質過敏症の患者診察に尽力した水城まさみ医師死去(週刊金曜日)

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 国立病院機構盛岡医療センターで20年近く、化学物質過敏症(CS)患者の診察に尽力してきた水城まさみ医師が、9月3日に死去した。72歳だった。  水城医師は2002年12月、同センターに「化学物質過敏症(CS)専門外来」を開設し、呼吸器内科・アレルギー科の診察と並行して、CSやシックハウス症候群(SHS)の診察に当たってきた。  診察の際は患者の訴えにじっくり耳を傾け、症状をつかんだうえで、科学的根拠に基づいた治療をするのが常だった。患者に寄り添った親身な診察ぶりが広く知られ、患者は全国から受診した。ここ数年は病と闘いながら、7月まで診察に当たった。  水城医師は研究と啓発にも力を入れた。多数の論文を書くとともに、市民向けの講演などで、CSの原因になる香りの強い柔軟剤などは使用を控えるよう訴えた。  最後に取り組んだのが、一般医師向けの対応マニュアルづくりだ。  CSやSHSは症状が多岐にわたるため、患者はさまざまな診療科を受診するが、その際、CSの専門医でなくても的確に対応できるようにしたいと考えたのだ。  コツコツ書き継いできた原稿は、小倉英郎医師(高知県の大西病院院長)と宮田幹夫医師(東京都のそよ風クリニック院長)、乳井美和子さん(同勤務)の協力を得て共著『プロブレムQ&A化学物質過敏症対策』(緑風出版)にまとめられた。水城医師は8月末まで校正に当たっていた。  遺族が仕上げ、9月29日に出版された同書には、CSとSHSの診断方法が詳しく説明され、内科一般・アレルギー科・精神科・歯科など各科別に対応方法が示されている。望ましい食事についても計26ページにわたって説明されており、患者にも役立つ内容になっている。 (岡田幹治・ジャーナリスト、2020年10月9日号)

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(2020/10/27)