なぜクマは近くにいる人間に気付かない?…一因に目線の高さ 低音に鈍感で足音聞き分けるのも苦手(福井新聞ONLINE)

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 冬眠前のツキノワグマが餌への執着を増し、活発に動き回る出没のピーク時期に入った。福井県内では9月末から人身被害が相次ぎ、人里での大胆な行動も目立っている。クマの生態や痕跡の特徴、遭遇した場合の対応をまとめた。 ⇒【写真】こんな糞を見たら、クマの遭遇に注意を  繁殖年齢を迎えたおおよそ3~4歳以上のクマが成獣とされ、体長120~145センチ、体重60~80キロ程度。中には100キロを超える個体もいる。時速40~50キロで走るといわれ、泳ぎもうまい。2歳ごろまでは親と一緒に行動するため、幼獣であっても近寄るのは危険だ。  嗅覚は犬並みの鋭さだが、視覚は遠近感や動体視力が弱めという。低音にも鈍感で、他の肉食獣より足音などを聞き分けるのは苦手のようだ。立ち上がらなければ、目線の高さは40~50センチほど。勾配がある場所や草丈が高い所では、その先にいる人間に気付かず、不意に遭遇する可能性があるという。  今秋、人身被害が起きた民家敷地内では、大量のふんが見つかった。被害発生日の数日前から現場に現れていたとみられる。福井県の担当者は「家や田畑の周囲に爪痕やふんなどの痕跡があるかどうかを、まず確認してほしい」と話す。  足跡は前足が横長、後ろ足は縦長に残り、成獣の後ろ足は長さ15センチ、幅10センチ程度で5本の爪痕が残る。  木を登る時には幹にひっかき傷が残る。柿の木などは樹皮の色が暗いため傷が目立ちやすく、特に爪痕が黄色い場合は新しい証拠だ。ふんの色や形は食べ物や体調によって変わり、柿を食べればオレンジ色、栗はきれいな茶色になるという。木の周辺に、人間ほどの量のふんがあればクマの可能性が高い。  誘因物となる柿や栗などの実を放置しないことが対策の一つ。ただ、クマが餌に執着する今の時期は、人が実を取ったり、木を伐採したりした時に餌を守ろうと襲う可能性も否定できない。痕跡を確認した場合、県の担当者は「不用意に近づかず、周囲を十分確認してほしい」と注意を促す。 ■もし遭遇したら…  クマが人を襲うきっかけは、驚いた時が多いという。遭遇した場合の対処として、県の担当者は「興奮させないように騒がず、走らず、ゆっくりと後退を」と呼び掛ける。逃げるものを追いかける習性もあるとみられ、県内でもジョギング中や、走って逃げた住民が追いかけられて襲われたケースがあるという。  

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(2020/10/27)