霧社事件から90年「セデック族の歴史取り戻す」音楽会や伝統行事/台湾(中央社フォーカス台湾)

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(台北中央社)日本統治時代に起きた台湾原住民(先住民)セデック族による抗日蜂起「霧社事件」から27日で90年を迎える。同族の言語や文化の保存、継承に取り組む「セデック族言語文化学会」などは一連の追悼イベントを開催。音楽会や展示、伝統行事など年末まで続く。 事件は1930(昭和6)年、中部・南投の霧社で発生。背景には日本人による統治への不満があったとされる。マヘボ社の頭目モーナ・ルダオが約300人を率いて日本人を襲撃、殺害し、日本側は軍や警察を動員して鎮圧。多くの犠牲者を出した。 イベント開催に当たり、台北市内の立法院(国会)で23日、記者会見が開かれた。同会のWalis Perin理事長は、歴史を解釈する権利をセデック族の手に取り戻したいとの考えを示す。日本統治時代、セデック族は暴動の首謀者とされ、国民党政権時代には抗日の「英雄」とみなされた。だが同氏は、セデック族にとっては、植民地統治下での生き残りをかけた抗議だったと語った。 イベントでは、セデック族の視点から事件を見直し、同族の間で共通意識を高めることを目指す。24日には、事件が起きた場所で音楽会が開かれた。開会前には長老が集まり、先祖に祈りをささげる儀式が行われた。 11月27日と同28日には、南投のホテルで専門家を招いたフォーラムを開催し、同族の歴史や教育、文化などについて意見を交わす。12月1日から同31日にかけては、中部・台中の静宜大で、族の歴史や土地の変遷を紹介する展示が催される。 一連のイベントの最後を飾るのは、セデック族の伝統行事「SMRATUC年祭」。12月30日と同31日、霧社事件が起きた場所で執り行う。同祭は日本統治時代以降途絶えていたが、近年再開され、規模は徐々に拡大傾向にあるという。 (林育瑄/編集:楊千慧)

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(2020/10/26)