普通の公立高が王者・履正社撃破、コロナが縮めた実力差(産経新聞)

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 高校野球秋季大阪大会で、ごく普通の公立高校が昨夏の甲子園大会を制した履正社を3位決定戦で破り、近畿大会初出場を決めた。番狂わせを演じたのは大阪府立山田。全国レベルの私立高がひしめく大阪から、公立高が近畿大会に出場するのは平成6年の市岡以来だ。快挙の背景には私立の強豪への反骨精神と、新型コロナウイルス禍による環境の変化があった。 【写真】履正社を破りガッツポーズする山田ナイン ■監督「信じられない」  162チームが参加し、8月末に開幕した秋季大阪大会で、山田は4回戦で浪速、5回戦で上宮、準々決勝で大産大付と、甲子園出場経験のある私立勢を相次いで撃破。準決勝こそ東海大大阪仰星に1-11の六回コールド負けを喫したが、10月4日に行われた3位決定戦で履正社を相手に2-1で勝利をものにした。  試合は1点を追う九回、1死二、三塁の好機に4番の横田那音(なおと)が逆転打を放つ劇的な展開だった。来春の選抜大会出場校を選考する上で重要な資料となる近畿大会への大阪からの出場枠は3。選抜出場が絶望的となりショックを隠しきれない履正社ナインに対し、横田は「私立を倒そうとみんなでやってきた」と喜びを爆発させた。  大阪市立桜宮高出身で、大阪私学の強さを選手の頃から身にしみて知る金子恭平監督は「信じられない」と感激の表情を見せた。 ■専用グラウンドなし  山田は大阪府吹田市にある全日制普通科の府立高。昭和59年創立で、OBにはお笑いコンビ、フットボールアワーの後藤輝基さんがいるが、野球部は無名の存在。練習環境にも恵まれていない。65メートル×90メートルほどのグラウンドは7つのクラブで共用しており、15日も野球部のほか、サッカー部、ハンドボール部が練習した。このため、打撃練習は打球が飛びすぎないように竹バットを使用。内外野の連係プレーもできず、練習試合は必ず相手校に出向く。  ハンディを持つチームの武器は、相手に食らいつく粘り強さだ。速いストレートに振り負けないように、あらかじめバットを寝かせたところからノーステップでスイングを始動する工夫で臨んだ。決して格好はよくないが、全員で相手の好投手に襲い掛かった。  公立高の捨て身の姿勢は、私学にとっては脅威になり得る。PL学園(大阪)を春夏6度の全国制覇に導いた中村順司元監督は「公立高は負けてもともとでやってくる。常に反骨精

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(2020/10/24)