国連創設75年 中国の攻勢、米国の関与低下で損なわれる創設時の理念(産経新聞)

【リンク先抜粋】
 国際連合は24日、創設から75年を迎えた。第二次世界大戦後、世界の平和と発展を目的とする国際協調の中心機関は今、創設を主導した米国がトランプ政権の下で関与を低下させ、中国が影響力を増大。国連憲章が謳(うた)う設立時の目的や理念が損なわれかねない危機に直面している。(ニューヨーク 上塚真由)  ◆「新冷戦」  「新冷戦を回避するために、あらゆることをしなければならない」。グテレス国連事務総長は9月、国連総会で米中の対立激化への懸念を露わにした。  収まらない新型コロナウイルス流行は国連にとって「創設以来の最大の危機」(グテレス氏)。米中の争覇はその対処に必要な国際協調に影を落とす。コロナ対策促進のため各地の紛争停止を求める安全保障理事会決議は採択に3カ月以上要し、各国を巻き込んだワクチンの開発・確保競争は公正な供給を危うくする。  冷戦時代は米ソを中心に世界が分断され、両陣営の衝突の恐れをはらんだ。グテレス氏の言葉にはそんな時代に戻ることへの危機意識がにじむ。  ◆数の力  「中国に責任を取らせないといけない」(トランプ米大統領)  「政治問題化し、汚名を着せることを拒否する」(中国の習近平国家主席)  国連総会で米中首脳はグテレス氏の懸念を尻目に、新型コロナ禍をめぐり非難を応酬した。ただ、国連を舞台にした二大国のパワーゲームは近年、中国の攻勢が目立つ。特に顕著なのがスイス・ジュネーブに置かれた国連人権理事会だ。  人権理事会では6月末、中国の「香港国家安全維持法」施行に懸念を示す声明と支持する声明がそれぞれ発表された。英国主導の懸念声明への署名国は28カ国に対し、支持声明への署名は54カ国・地域に上った。支持に回ったのはアフリカ諸国など中国との経済的な結びつきが深い国々。中国が数の力を見せつけた。  4月には、人権理事会で特定国の人権状況の調査を担う特別報告者を選出する委員の一人に中国人外交官が就任。ウイグル族抑圧や香港情勢で国際社会の追及が阻止される恐れは一段と強まった。中国は10月に5度目の理事国にも選出された。  中国は水面下の外交活動も進め、「ウイグル問題に言及しないよう国連高官らに圧力をかけている」(外交関係者)ともいわれる。人権や自由の尊重は国連の基本文書である国連憲章が前文などで掲げる目的の一つだが、アナン元事務総長の特別顧問を

続きはこちら

(2020/10/24)