メジャー1年目同士だった悩める黒田博樹との長電話の中身【小林雅英 ブルペンから走り続けた13年】(日刊ゲンダイDIGITAL)

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【小林雅英 ブルペンから走り続けた13年】#23  黒田博樹は2004年のアテネ五輪に出場、共に戦った仲間で、なおかつ学年が一緒の同級生です。この時の代表選手たちとは苦労を共にした連帯感があり、頻繁に食事をしたりお酒を飲んだりするわけではなくとも、どこか特別な存在になっています。  黒田もそのひとり。2008年は僕がインディアンス、黒田がドジャースで同じメジャー1年目のシーズンでした。どちらが先に連絡したかは定かではありませんけど、黒田とは電話で長話をした思い出があります。  たまたまドジャース戦で僕が好投し、逆に黒田は投球で苦しんでいた時期。黒田はツーシームを主体に組み立て、僕もツーシームに似たシュートが武器でした。先発と抑えの違いはあってもタイプが似た投手同士。自然とピッチングの話題になり、僕は黒田に「こんな感じで投げてるよ」と自分の考えを話しました。  僕も当時ルーキーでしたが、ツーシーム主体の右腕に対して、メジャーの左打者はアウトコース寄りの沈むボールを待っているケースが多いと感じていました。外角低めは比較的、安全なコースですが、外に外に投げ続ければ打者もボールの軌道に合わせてくる。待っているところに投げれば相手の思うツボですが、そういった打者心理を逆に利用できないかと思ったのです。  メジャーはツーシームやカッターといった動く速球が主体ですが、フォーシームといわれる回転の奇麗なストレートを投げる投手はあまりいません。だからこそフォーシームは意外と効果的ではないかと、そんなふうに考えた。打者が外角低めに沈むツーシームを待っているところに、球筋が素直でむしろ浮き上がって見えるフォーシームを投げ込めば面食らうのではないかと。 ■有効なフォーシームを提案  案の定、メジャーでフォーシームは効果的でした。打者は低めに沈む軌道に合わせてスイングしてくるから、同じコースへフォーシームを投げ込むとバットはボールの下を通過して空振り、もしくはボールの下っ面をこすってファウルになるんです。  打者に外角低めのツーシームだけではない、同じコースにくるフォーシームもあるということを認識させられたらしめたもの。投球の幅がグンと広がり、スライダーもこれまで以上に有効になりました。そうしたことを黒田に伝えると、電話の向こうでうなずいているのがわかりました。  シーズン

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(2020/10/21)