我慢強さ光った稲森、逆転で愛着ある「2」ずくめV ゴルフ日本オープン選手権(産経新聞)
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入れれば優勝の決まる18番のバーディーパット。「心臓の音がバクバク聞こえた。本能の赴くままに勘で打った」。ボールがカップに吸い込まれると、稲森は控えめなガッツポーズで喜びを表現した。
17番でボギーをたたいた谷原と4アンダーで並んで迎えた最終ホール。3打目でグリーンを外したライバルに対し、50度のウエッジを握った26歳は持ち前の正確なショットで2メートルにつけ、逆転優勝を呼び込んだ。日本最高峰の大会を2年ぶりに制し、「また優勝できてうれしい。最初の優勝と比べてすぐに実感がわいた」と笑顔を見せた。
我慢強さの光る最終日だった。「スタート前から落ち着いていた。前回の4日目に比べてリラックスできたのが成長」。谷原に差を広げられても慌てずにパーを重ね、前日同様にボギー直後のホールでバーディーを取り返した。17番では3メートルのバーディーパットを決めきれず、谷原を突き放せなかったが、18番に向かう際は「バーディーを取ったほうが勝つ」とすぐに気持ちを切り替えた。
昨年の賞金ランキングは前年の3位から49位に急降下。コロナ禍の今季は多い時で週6回もコースに出て練習を重ね、体幹トレーニングにも励んできた。
運が良いことを意味する地元の鹿児島弁の「ふ(賦)がいい」にちなんで数字の2を好み、令和2年2月22日に結婚。「一家の大黒柱の自覚が芽生えた」。2位から出たこの日、2バーディーで2年ぶり2度目の優勝を手繰り寄せた。(奥村信哉)