《ブラジル》【記者コラム】16世紀に南米に来た日本人奴隷とユダヤ教徒(ニッケイ新聞)

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 読者の中には2009年4月の本紙連載《日本人奴隷の謎を追って=400年前に南米上陸か?!》(https://www.nikkeyshimbun.jp/2009/090409-61colonia.html)を覚えている人も多いだろう。コラム子が昨年、日本で出版した『移民と日本人』(無明舎出版)にも大幅に加筆訂正したものを再掲載した。  1596年、アルゼンチンのコルドバで、日本人青年フランシスコ・ハポンが奴隷としてディエゴ・ロペスからミゲル・ヘローニモ・デ・ポーラス神父に800ペソで売られたことに関し、日本人青年が「自分は奴隷ではない」との裁判を起こした書類が見つかったとの件だ。  コラム子は同連載を書いた時から「ポルトガル本国に連れてこられた日本人奴隷の一部が、その後にブラジルまで来ていたのでは」「アルゼンチンのフランシスコ・ハポンのような日本人が、ポルトガル商人によってブラジルまで運ばれていたのでは」という可能性を提起している。  でも、BBC記事の本文には《肉体労働者を必要としていたブラジルで、ポルトガル人による植民が同じ世紀の初めから行われていたが、アジア系奴隷は主に家庭内労働に従事させられていた。リスボンにおいて、たくさんの家族は、所有する日本人奴隷を「舶来品」として見せびらかしていた》とある。  つまり、ルシオ准教授が「ブラジルは農場労働者として黒人奴隷を入れ、ポルトガルには家庭内労働の奴隷として日本人を入れた」から、ブラジルに日本人奴隷が来た可能性はないと考えているのかもしれない。  BBC記事で紹介されている「リスボン在住日本人として最古の記録」は、1573年に日本人女性奴隷ジャシンタ・デ・サー・ブランダオが、日本人男性奴隷ギリェルメ・ブランダオとコンセイソン教会で結婚したという書類だそう。  ソウザ准教授らは2017年に『大航海時代の日本人奴隷』(中公叢書)を出版しており、そこに詳しく研究成果が記されている。とても珍しく貴重な本だ。  日本人奴隷に関することは、噂話や断片的なエピソードばかりが先行し、なかなか本格的な研究が見られなかった。日本史のダークサイド的な印象が強いテーマなので、なかなか正統派の研究者が取っつきにくい部分があったのかもしれない。でも、日本在住のポルトガル人研究者がその難しいテーマに真っ正面から取り組んでくれたのは、本当に有り難

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(2020/10/20)