9月の鉄鋼輸出、19%減の247万トン。供給余力なく低水準続く(鉄鋼新聞)
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財務省が19日に発表した9月の貿易統計(速報)によると、全鉄鋼ベースの輸出は前年同月比18・9%減の246万7千トンとなり、5カ月連続の前年割れだった。
7月以降、輸出向けの引き合いは回復してきたが、自動車向けの内需も回復する中で高炉大手の供給余力がなく輸出の成約が抑制されている。9月は日本製鉄の九州製鉄所大分地区で熱延ミルの定期改修があったことも輸出減の一因となったようだ。
向け先別では、内需が好調な中国が30・8%増の58万5千トンと高い伸びが続いているが、4カ月ぶりに60万トンを割り込んだ。このほかASEANが34・3%減の67万2千トンで5カ月連続の70万トン割れ。韓国も36・5%減の31万2千トンで4カ月連続の40万トン割れとなった。米国は27・5%減の6万9千トン、中東は54・6%減の4万2千トンだった。
全鉄鋼輸入は23・2%減の48万2千トンで9カ月連続の前年割れだった。うち韓国からは14・9%減の23万9千トン、中国からは56・4%減の5万6千トン、アセアンからは3・3%減の3万5千トンだった。
年度上期は14%減
2020年度上期(4~9月)の全鉄鋼ベースの輸出は前年同期比13・9%減の1520万9千トンとなった。年度上期の前年割れは7年連続。
新型コロナウイルスの感染拡大で4月以降の輸出量が失速し、リーマン・ショック以降では09年度上期の1359万トンに次ぐ低水準だった。09年度は下期に輸出量が急回復したが、今年度は車向けの内需が急速に持ち直しており、輸出余力は極めて限られそう。年度ベースでは3千万トン程度にとどまる可能性が高い。
地域別では、アセアンが29・8%減の420万4千トン、中国が29・6%増の329万4千トン、韓国が19・6%減の233万4千トン、中東が10・3%増の56万9千トン、米国が32・8%減の41万トン、EUが22・9%増の17万4千トンだった。
輸入は23・4%減の310万8千トン。うち韓国が21・8%減の143万2千トン、中国が31%減の48万6千トン、アセアンが32・6%減の18万7千トンだった。
金額換算では輸出が25・6%減の1兆1809億円、輸入は27・9%減の3376億円だった。