新型ホンダeがコンパクトカーの“傑作”になるかもしれない理由とは(GQ JAPAN)
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走り出す前に専用アプリをダウンロードしたスマホが渡され、アプリでもってドアのロックをオン/オフしたり、フロントのボンネットの中央に設けられた充電口のフラップを開けたりして、未来な感じをちょっと味わう。スマホ・アプリで、カギがなくてもパワーをオンにすることもできる。はずだけれど、この日のように調子の悪いときもあることをIT社会に生きる私たちは知っている。そういう場合に備えてカギというものがある。これまた電波式ではあるけれど。
リビング・ルームを意識したという室内は、シンプルな霜降り風の織物のシート表皮と、木目の印刷フィルムを貼ったパネルがぬくもりを感じさせる。ウッド(調)のテーブルの上には居間のテレビよろしく、横長のスクリーンが端から端まで。その両端は、ドア・ミラーに代わって、カメラが後方を映し出すスクリーンになっている。
最近のホンダの例に等しく、P、R、N、Dのセレクターのスイッチがセンターコンソールに平面上に並んでいる。Dを押す。ブレーキ・ペダルをゆるめると、クリープでもってゆっくり走り出す。アクセルを踏んでも静かである。静かである。静かだ。超静かだよ~。EVのなかでもことさらに静かなのは、モーターがリアにあるからだ。
ボディ・サイズは、ホンダのベスト・セラー「フィット」より100mm短い。全幅は55mm広いけれど、1.8mを切っており、全高は5mm違うだけなので、ほとんどおなじ。2530mmのホイールベースはフィットと同一だけれど、フィットの場合は、普通のFF車同様、壁1枚隔てたバルクヘッドの向こうにエンジンと電気モーターある。なので、EV走行時もモーターの気配がある。
RRのホンダeの場合は、2.5mよりは短いにしても、ドライバーから2mは後方のリア・アクスルのさらに後ろに電気モーターだけが潜んでいる。街中を走行していて聞こえてくるのはエアコンのファンと、かっちゃんかっちゃんというウィンカーの音ぐらいだ。
フィット・サイズなので、横浜の街もたいへん走りやすい。その一方、妙な高揚感もある。デジタル・スクリーンに囲まれていると、リアルとヴァーチャルの境があやしくなる。フロント・ガラスのスクリーンは現実だけれど、カメラがダッシュボードの両サイドのスクリーンに映し出す後方の画像は、みなとみらいの赤煉瓦倉庫とか、観光地のテレビ中継か、あるいは絵はがきを見てい