中国、日本のASEAN取り込みを警戒(産経新聞)

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 【北京=西見由章】中国の習近平指導部は、日米が掲げる「自由で開かれたインド太平洋」の本質は対中包囲網だとして反対姿勢を鮮明に打ち出し始めた。菅義偉首相の初外遊についても「東南アジア諸国連合(ASEAN)を同構想に取り込む動きの一環」(中国人外交研究者)とみて警戒を高めている。  中国の王毅国務委員兼外相は13日、訪問先のマレーシアで、「米国が打ち出したインド太平洋戦略」について、「『米日印豪』の4カ国によるインド太平洋版の新たな北大西洋条約機構(NATO)を構築しようとする企て」と批判した。6日に4カ国外相が東京で連携強化を確認したのを受けた発言で、北京の日中外交筋は「(日米などに)取り込まれるな、というASEAN側への牽制(けんせい)」と指摘する。  ASEANは今年1~6月、欧州連合(EU)を抜いて中国の最大の貿易相手となった。王毅氏は菅首相に先立ち今月、マレーシアやカンボジアなど計5カ国を歴訪して影響力を誇示。「中国とASEANとの間にくさびを打ち込もうとする米政権の試みにもかかわらず、双方は貿易などの分野でより緊密に協力している」(中国政府系英字紙チャイナ・デーリー)と日米への対抗意識を隠さない。  中国側は「中国とのデカップリング(切り離し)に対する各国の立場には相違がある」(先の研究者)と分析し、米国の対中圧力策に日本などが完全に追随するとはみていないものの、米主導の対中包囲網によって中国に有利なサプライチェーンが脅かされることへの警戒感は大きい。  日米同盟を揺るがすことが現実的に難しい中、中国当局は日本との距離感をめぐって模索を続けている。菅首相が就任した9月、中国公船による尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺での領海侵入はなかったが、今月11~13日には過去最長の滞在時間となる領海侵入を行うなど挑発行動を再び活発化し始めた。先の日中外交筋は「日本と真正面から対立するのは避けたいというのが全体のトーンだ。ただ中国側が菅政権の対中姿勢を判断する材料はまだ多くはなく、方向性が固まったとはいえない」と分析する。

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(2020/10/19)