中国GDP4・9%増 報道官は先行きに警戒感(産経新聞)
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【北京=三塚聖平】中国国家統計局が19日発表した2020年7~9月期の国内総生産(GDP、速報値)は、物価変動の影響を除く実質で前年同期比4・9%増だった。国内での新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めが掛かったとして、政府が経済活動の正常化を進めたことにより、成長率は4~6月期から1・7ポイント増加した。
ただ、大方の市場予測である5%台には届かず、新型コロナ発生前の19年10~12月期(6・0%増)の水準には戻っていない。1~9月期では0・7%増と新型コロナ流行後に初めて累計でプラスとなったが、19年通年の6・1%増と比べてなお開きがある。
中国政府の主導で進む工業生産や投資の拡大に加え、欧米各国で経済活動再開の動きが出ていることが輸出の改善を後押しした。マスクやノートパソコンといった新型コロナ禍で世界的に需要が増している製品の輸出が好調に推移したことも寄与した。
同時に発表された1~9月の主要経済指標は、工業生産が1・2%増、企業の設備投資を含む固定資産投資が0・8%増。一方で、消費動向を示す小売売上高は7・2%減とマイナスが続いている。
中国経済の先行きについては、新型コロナの初動対応や香港問題、ハイテク分野をめぐり深刻化しているトランプ米政権との対立が影を落とす。中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)など中国企業の排除を米国が呼び掛けているほか、中国経済を支えてきた貿易や海外からの投資への影響が懸念される。
統計局の劉愛華報道官は19日の記者会見で「国際環境は依然複雑で厳しく、不確実性は比較的多い」と先行きに警戒感を示した。
中国の経済成長率は、新型コロナの直撃を受けた1~3月期に6・8%減と、四半期ベースの記録がある1992年以降で初のマイナスに陥ったが、4~6月期にはプラス成長に戻っている。ただ、経済の先行きが不透明だとして5月の全国人民代表大会(全人代)で、2020年の成長率目標の設定を見送っている。