不安に寄り添い小さな希望を与える、ヨンシーが奏でる讃美歌。(Pen Online)

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漆黒の闇の中、はかなげに光を放っている小さな星。ヨンシーの声を聴くと、そんなイメージが脳内を満たしていく。哀しみがあふれていることもあれば、絶望的な気分にさせられることもある。でも、そんな感情にそっと寄り添いながら、手を差し伸べてくれているような慈愛を感じる声なのだ。 【関連記事】黒人音楽の自由さを体現する革新的クインテット、ブッチャー・ブラウン アイスランドを代表するエクスペリメンタルなロック・バンド、シガー・ロス。そのフロントマンによるソロ・アルバムは、なんと初作『ゴー』から10年ぶりということだが、並べて聴くとちょっと雰囲気が違う。 比較的アッパーなエレクトロ・ポップというイメージの前作に比べ、新作における彼の声のどこまでも深みに落ちていくようなさまは、少し恐怖すら覚えるほどだ。静謐なピアノと小さなノイズを交えたアンビエントなトラックがさらにその声の魔力を増幅し、シガー・ロスとは一味違う神聖な世界をつくり上げている。 なかには、暴力的なまでに過激なハンマー・ビートもあれば、スウェーデンのエレポップ・シンガー、ロビンをフィーチャーしたダンストラックもある。それでもアルバム全体の“静”の印象は変わらない。実験的ながら一定の水準に仕立てられたのは、少し前のチャーリー・エックス・シー・エックスのアルバムでも重要な役割を果たしていたプロデューサー、A.G.クックの手腕も大きいだろう。

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(2020/10/19)