新型ドゥカティ ストリートファイターV4試乗──サーキットでも負けない狂速マシン!(GQ JAPAN)
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ところが、そんな緊張感を吹き飛ばすほどに、走り出したストリートファイターは優しいフィーリングだった。
名は体を表す。とはいうが、ストリートファイターという名にピッタリなアグレッシブなスタイリングである。ライディングポジションは、パイプハンドルを装備したネイキッドマシンということを考えると前傾が強め。シート高も高めでなかなかに戦闘的なライディングポジションだが、これは208psというとてつもないパワーを知れば納得である。
排気音はなかなかの迫力だが、高回転志向のエンジンにありがちな低速域でのぐずつきなど皆無で、なんだか拍子抜けするほどスムーズである。
しっとりと落ち着いた足回りで当たりが優しいことも意外な点だ。これはクッション性の高いシートはもちろん、テストしたSモデルに装着されたオーリンズ製セミアクティブサスペンションによる恩恵も大きいだろう。
想像をはるかに超えた乗りやすさ。デビュー当時のパニガーレV4しか知らないと余計に驚かされるパフォーマンスであるが、よりスムーズなレスポンスに仕立てられた2020年モデルのV4に乗ると、その理由が少し理解できるだろう。
2020年モデルのV4はエンジンマネージメントが刷新され、車体設定もソフトな方向に改められた。それをベースとすることで、スタート地点のハードルが低められているのだ。
さらに、ストリートファイター専用にエンジンはより低中速域での扱いやすさを高めている。スイングアームも伸ばされ、ホイールベースも延長。単純にハンドルバーを変更しただけでなく、ステムのオフセット量変更等をベースにセットアップが施され、より優しいハンドリングを得ている。
装着されるセミアクティブサスペンションは低速域であっても、豊かな接地感を絶えずライダーにフィードバックしてくれる。そのうえで、サーキットなどのハイスピード時にはしっかりとした踏ん張り感を見せるのがメリットでもある。
ワインディングでは、パワーを持て余して走るのに難儀するのでは? という予想を見事に裏切ってくれた。低中速だけであっても十分パワフルで、パニガーレよりも余裕がある印象。また、多くのハイパーマシンにありがちな、本領発揮パートのみが刺激的で低速域は面白みがないといったことがなく、低中速だけでも完結してしまいそうな充実感があるのだ。
調度良いパワフルさだなぁ……など