【メガバンク再考】求められる目利きの力 くすぶる不良債権問題(産経新聞)

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 「信用コストが最大の懸念だ」。新型コロナウイルス感染拡大に伴い多くの企業が打撃を受ける中、みずほフィナンシャルグループ(FG)の坂井辰史社長は、経済活動の「血液」となるカネを市中に循環させる銀行の現状をこう指摘する。 【表でみる】3メガバンクの主な動き  コロナ禍に伴う融資の焦げ付きに備えた与信関連費用は令和2年4~6月期、3メガバンク合計で約3千億円と、前年同期比で約60倍に拡大。感染拡大が長引けば不良債権となりかねない。  足元では、平成25年から始まった日本銀行の大規模金融緩和で貸出金利が低下し、3メガは収益悪化に苦しんでいる。金融庁によれば、3メガを含む主要7行の本業のもうけを示す実質業務純益は14年3月期に約4・2兆円だったが、令和2年3月期は約2兆円と半減した。  今のところは邦銀の財務体質に問題はなく、国内金融システムは比較的安定している。しかし、世界的には銀行の収益が圧迫されているのは事実で、どこの国が金融危機の起点になってもおかしくはない。日本でも企業倒産などがさらに増えれば、不良債権問題が再燃する火種がくすぶる。  全国銀行協会の三毛兼承会長(三菱UFJ銀行頭取)は6月18日、「公的資金の注入の必要性が高まる状態にはない」と述べるなど、不安払拭に努めた。      ◇  メガバンクが誕生した約20年前、金融業界はバブル崩壊の後遺症が色濃かった。平成10年には日本長期信用銀行と日本債券信用銀行が破綻し一時国有化された。「次につぶれる銀行はどこか」という不穏な雰囲気が漂っていた。  11年8月20日、東京・内幸町の帝国ホテル。第一勧業、日本興業、富士の3行統合の記者会見で、富士銀の山本恵朗頭取は「世界の五指に入ることを目指す」と述べた。  しかし脳裏にあったのは不良債権処理だ。そのためには規模拡大による効率化しかない。大手行にも公的資金が注入される中、体力の弱い銀行をつぶさない“護送船団方式”という金融行政が行き詰まっていたことも再編を後押しした。  「再編に乗り遅れるのではないか」。みずほ誕生でこんな焦りが他の大手行の幹部に伝染する。  当時、住友銀行の頭取だった西川善文氏は「(みずほが)実現すれば、これまでとは比べものにならない“メガバンク”の誕生になる」と危機感を募らせた。そして、みずほの発表からわずか2カ月後の10月、

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(2020/10/18)