氣志團の『1/6 LONELY NIGHT』は深淵なる世界を魅せつけたバリバリのメジャー1stアルバム(OKMusic)

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2010年、北野武監督の映画『アウトレイジ』が公開された時、とある映画評論家が劇場に“リアル・アウトレイジ”な人たちが結構な割合で訪れている様子を目の当たりにして、「映画業界は大事なファン層をないがしろにしてきた」といった論調で、いわゆるヤクザ映画がいつの間にかレンタルビデオ・DVD市場中心の作品になっていたことを揶揄していた。その続編である『アウトレイジ ビヨンド』(2012年)の興収が前作の倍となったことも、この種の作品を支持する層が一定数以上存在することを証明したに他ならないし、その後の北野監督作品『龍三と七人の子分たち』がコメディーながらも元ヤクザが主人公だったことは、そのニーズを配給側が実感してのことだったのだろう。かように、ニッチとはまた別の意味で、確実に一定層の需要のある市場というのは存在しているもので、映画で言えば『シン・ゴジラ』はそこを刺激して大ヒットしたのだろうし、“ヤンキー (不良少年)文化”は確実にそのひとつと言える。 ヤンキー文化の発祥には諸説あろうが、70年代の“ツッパリ”辺りを端緒と捉えても大きく観点はずれないはずだ。リーゼントヘアで、“長ラン”“短ラン”等の変形の学生服、“ドカン”“ボンタン”等の幅の広いズボンに身を包み…といったところがファッション的なデフォ。今、巷ではほとんど見かけないので、「どこに需要があるんだよ!?」と突っ込まれるかもしれないが、コミックの世界では確実に横たわり続けているジャンルである。80年代初期の『BE-BOP-HIGHSCHOOL』『湘南爆走族』、90年代の『クローズ』『疾風伝説 特攻の拓』、00年代~10年代では『WORST』『ドロップ』辺りがその代表で、『クローズ』はその実写映画『クローズEXPLODE』の公開が14年なのだから、このジャンルの勢いが衰えない何よりの証拠と言える。青年漫画誌や月刊漫画誌には今も尚このタイプの作品があるので、ヤンキー文化は今後も脈々と続いていくことをうかがわせる。 では、音楽シーンにおいてヤンキー・カルチャーを代表するアーティストは…と言えば、これはもう80年代の横浜銀蝿、そして02年にメジャーデビューを果たした氣志團がその双璧であることは間違いない。

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(2020/10/17)