メジャーはおおらかな雰囲気 ファンからホットドッグの差し入れも【小林雅英 ブルペンから走り続けた13年】(日刊ゲンダイDIGITAL)
【リンク先抜粋】
【小林雅英 ブルペンから走り続けた13年】#20
12球団の本拠地で観客席からブルペンが見えるのは、西武のメットライフとヤクルトの神宮くらいです。あとは大体、選手ロッカールームの奥などファンからは見えない場所にあります。
メジャーは、まったく逆。どの球場もブルペンは常にファンの目が届く場所にあり、ホーム球団とビジター球団が隣り合わせになっています。
インディアンスのプログレッシブフィールドは右中間の奥。天井はなく、お客さんから丸見えで、ホームランボールが飛び込んでくることもあります。このブルペンの位置や造りは、球場によって違います。
レッドソックスのフェンウェイパークも同じく右翼にありました。グラウンドとの境目の金網から少し体を乗り出せば、隣のブルペンの様子もわかる。試合前に当時、レッドソックスにいた岡島と「よう、久しぶり。元気?」なんて会話をしたこともあります。他のメジャーリーガーたちもおおむね、試合前はこんなふうにたわいないおしゃべりをしながら準備をするのが日常茶飯事でした。
エンゼルスのエンゼルスタジアムは左翼にあり、段差の低いグラウンド側がビジター、一段高い奥がホームと分かれていました。目の前で誰が何を投げているのか丸見えなんです。
■「走り過ぎるな!」
大変だったのがロッキーズのクアーズフィールドです。
ブルペンは右翼にあり、造り自体はレッドソックスのそれと似ていますが、なにせ球場のあるデンバーは標高1609メートルのマイルハイ。酸素が薄く、アスリートが高地トレーニングをする場所です。練習からして「走り過ぎるな!」と言われており、急いで救援のマウンドに行こうものなら、それだけで息が上がってしまう。
そんな投手泣かせ、打者有利の球場で1996年にノーヒットノーランを達成したのが野茂英雄さん。現地で実際にプレーをしてみて、改めてその偉業に驚かされました。
■「コバヤシだろ?」
ブルペンでのエピソードでもっとも印象に残っているのが、レンジャーズのグローブライフフィールド。練習中、僕に突然、ホットドッグをパスしてくれたファンがいたのです。
受け取ったはいいけれど、わけがわからず彼を見ると、何やら言っている。よくよく聞くと、「おまえもコバヤシなんだろ? だったら、それ食べろよ」。
当時は、アメリカのホットドッグ早食い選