軍曹・永瀬拓矢王座、初防衛 王座戦最終局で久保利明九段を退ける(スポーツ報知)
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将棋の永瀬拓矢王座(28)に久保利明九段(45)が挑戦した第68期王座戦5番勝負第5局が14日、甲府市の常盤ホテルで行われ、後手の永瀬王座が110手で勝ち、対戦成績3勝2敗で初のタイトル防衛を果たした。
将棋へのストイシズムと盤上でのタフネスで「軍曹」と称される男の長すぎた夏は、大きな戦果を残して終わった。
永瀬王座は昨年、初タイトルの叡王を獲得した後、続けて王座も奪取して2冠に登りつめた。さらに今期は6月に棋聖戦挑戦者決定戦と王位戦挑戦者決定戦に進出したが、いずれも藤井聡太2冠(18)=王位、棋聖=に敗れていた。6~9月まで続いた叡王戦7番勝負では持将棋(引き分け)が2度あるなど第9局までもつれ込む大激闘の結果、最終局で豊島将之竜王(30)に屈し、1冠に後退していた。
本局に敗れると無冠になる窮地だったが、土壇場で胆力を発揮した。将棋界には「防衛して一人前」の言葉があり、永瀬王座はまたひとつ大棋士へのステップを登ったことになる。局後は「(叡王戦と合わせて)両方ともフルセットだったので大変だったんですけど、ひとつ結果が出て良かったなと思います」と振り返った。
振り飛車党の代表的棋士としてシリーズを通してファンを湧かせた久保九段は、初の王座獲得となっていれば、タイトル獲得通算8期として木村義雄十四世名人、加藤一二三九段と並ぶ歴代9位タイに躍り出ていたが、無念の敗北となった。局後の取材では「一から出直したい」と語りながら「事前にやりたいと思っていたことを指せて良かったです。まだ振り飛車もいろいろあるんだなと。結果が出てないので証明できなかったんですけど…」と胸中を明かしていた。