富士通、量子コンピュータ実現に向け研究を本格化(EE Times Japan)

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 量子現象を活用する量子コンピュータは、「量子ゲート方式」と「イジングマシン方式」の2つに大別される。このうちイジングマシン方式は組み合わせ最適化問題に特化したもので、同社はCMOS回路で疑似的に量子のふるまいを再現した計算機アーキテクチャ「デジタルアニーラ」の開発、提供を行っている。これに対し、従来のコンピュータのような汎用処理が可能で、実現すると革命的な高速性をもたらすと期待されているのが、量子ゲート方式だ。  近年、GoogleやIBMがこの量子ゲート方式に参入し、超伝導量子ビットを用いた方式の開発を推しており、2019年10月にはGoogleが「量子超越性を実証した」と発表し大きな話題にもなった。しかし、誤り耐性量子計算のためには100万ビット以上が必要とされるなか、Google発表時の量子コンピュータで53ビット、2020年9月にIBMが公開したものでも65ビットであり、佐藤氏は、「現状では遠く及ばず、実現には長期的取り組みが不可欠だ」としている。  また、佐藤氏は、「量子ビットを形成、操作する技術は年々向上しており、1つの演算ならば99%以上の精度で実行できるが、計算規模の増大に伴ってエラー問題は深刻化する。ハード的な改善に加え、エラー緩和アルゴリズムなどソフトウェア的アプローチがその改善に必要だ」とも課題を挙げた。  同社はこうした課題を解決しながら、量子コンピューティング実現を加速することを目的に、「国内外のトップレベルの研究機関と共同してオープンイノベーションで取り組む」と説明。今回、新たに理研および東大、阪大、デルフト工科大とそれぞれ共同研究を開始する。同社は既に、2020年3月にカナダのQuantum Benchmarkと誤り耐性量子計算用のエラー訂正技術、アルゴリズムに関する共同研究を開始するとも発表しているが、今回新たに4研究機関と共同研究を進め、「量子デバイスからアルゴリズム、アプリケーションに至るまで全ての技術領域をカバーする」としている。

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(2020/10/14)