AIやロボットの進化で「やることがない時代」が来る? 日立×京大が示す未来(NIKKEI STYLE)

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例えば、川上浩司教授が研究する「不便益」。これは「不便によって生じる益」という概念だ。日立の研究者らも東京都国分寺市で「不便なアプリ」の実証実験を行っている。そのアプリは、スマートフォンで決済時、支払者と店員が同時に画面上のボタンを3秒間押さないと支払いが完了しないというもの。利用者はその3秒の間に沈黙に耐え切れず「ごちそうさま」などの対話が生まれる。これにより、店や地域の記憶が残り、人々のつながりができるのだ。こうした事例からは、効率的で便利すぎる社会ではなく「未完成なスマート社会」のもつ可能性が示唆される。 「不安」も本書のキーワードだ。神経生理学では、不安は人間から取り除くことができないことや、人間関係を作る要素であることがわかってきたそうだ。さらに不安が社会貢献を行う原動力になり、「好奇心」と表裏一体であるとも考えられるという。つまり、京都大学の山極寿一前総長の言葉を借りれば「人間の社会とは、既知の不安から身を守るために発達してきたと言っても過言ではない。ある意味、人間にとって不安は必要不可欠なものと言える」のだ。 トリレンマを脱出するためには、第一にこうした不便や不安とともに生きることが大切だと本書は説く。さらには主体性や好奇心、人との関係性についての言及もある。もしあなたがトリレンマに感ずるものがあるのなら、一読をおすすめしたい。

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(2020/10/13)