飛行機から降りたエースが次々にナインとハグ…MLBならではの理由とは【小林雅英 ブルペンから走り続けた13年】(日刊ゲンダイDIGITAL)

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【小林雅英 ブルペンから走り続けた13年】#17  メジャーでは移動にチーム専用のチャーター機を使います。出発の際は選手を乗せたバスが直接、飛行機の下まで向かうので、出発ロビーや搭乗ゲートとも無縁です。一応、搭乗する前に手荷物検査や金属探知機のチェックもありますけど、移動に公共機関を利用する日本のプロ野球と比べれば、はるかに楽です。 ■カナダからの出国は別  ただし、カナダから出国するときだけは別でした。入国の際は米国内の移動と同じくチャーター機から降りたら横付けされたバスに乗り込めばよいのですが、カナダを出るときだけは搭乗ゲートをくぐらなければなりません。なのでブルージェイズ戦後、トロント・ピアソン空港では一般のお客さんに交じってゲートを経由していました。これは他の選手も一緒です。  チャーター機の機内では食事も出ます。メニューは2種類くらい。ハンバーガーなどの軽食ですね。キャビンアテンダントも毎回同じ顔ぶれなので、自然と顔見知りになります。 「マサ、今日は何食べる?」「じゃあ、ハンバーガー」「ビールは? どうせ飲むでしょ?」「うん、飲む」  彼女たちはそんな感じで、選手個々の好みを知り尽くしている。チームが家族なら、彼女たちは親戚の世話焼きおばちゃんといったところです。  選手は機内で自分の時間を過ごします。座席シートの3人分をひとりで使えるので、中にはひじ掛けを上げて寝転ぶ選手もいます。公共機関ではできない実にリラックスした空間なんです。  ところが、そんな空間にもメジャー独特のシビアなシーンは訪れます。2008年7月、遠征先からクリーブランドに帰ってきたときのこと。飛行機を降りると、なぜかナインがエースのC・C・サバシアと次々にハグしています。僕は訳が分からず、困惑しながらハグ。何がどうしたのか聞いたところ、「ブルワーズへのトレードが決まった」というのだから驚きです。  移動中にトレードが決まったのかは定かじゃありませんけど、本人に通告されたのはおそらくクリーブランドに着く直前でしょう。機内でのサバシアはついさっきまでラムコークを飲みながら陽気な音楽をかけ、みんなとワイワイガヤガヤやっていたからです。 ■ロッカーが空っぽに  メジャーのフロントはとにかくシビア。優勝が狙えないと判断したとたん、即座に翌年に向けて動き出します。リリーフのボ

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(2020/10/13)