出光興産が目指す次世代CIGS太陽電池(LIMO)

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 CIGSは銅(Cu)、インジウム(In)、セレン(Se)を基本元素とした多結晶化合物薄膜の太陽電池(PV)で、ガリウム(Ga)や硫黄(S)を添加することでバンドギャップを制御することができる。また、バンドギャップが1.1~1.2eVの直接遷移型半導体であるCIGSは光吸収係数が大きいため、膜厚2μm程度の光吸収層で太陽光を十分に吸収することができる。  CIGSはガラス基板上にモリブデン電極、p型のCIGS光吸収層、n型のバッファー層(CdSなど)、さらに透明電極を積層してカバーガラスで封止した構造が一般的だが、有害なカドミウム(Cd)を含まないバッファー層も提案されている。  CIGSの高効率化で有効とされるのがアルカリ効果で、1990年代以降、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、セシウム(Cs)、ルビジウム(Rb)の添加で変換効率が向上することが確認されている。最近では、銀(Ag)を少量添加することで、CIGSのワイドギャップ化、界面再結合の抑制などで変換効率が向上することが報告されている。  セル変換効率については、多くの研究機関で20%超が報告されているが、出光興産と経営統合(2019年4月)した旧昭和シェル石油の子会社のソーラーフロンティアが、Cdを含まないバッファー層を用いた1㎠のセルで23.35%の世界最高効率(AISTで認証)を達成している。CIGS光吸収層にCs処理を行うことで、光吸収層のライフタイムが改善し、キャリア再結合が抑制されたことで変換効率が向上した。  また、30cm角のサブモジュールでは19.2%、7×5cmのミニモジュールでは19.8%の変換効率を実現しており、いずれも世界最高効率となっている。量産出荷している高出力新型モジュールの出力は180~185Wで、量産ラインにおけるモジュールの最高出力は194.3W(開口部変換効率17.2%、モジュール変換効率15.8%)となっている。

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(2020/10/12)