鳥のビルへの衝突を防ぐには、米国では年最大10億羽が犠牲に(ナショナル ジオグラフィック日本版)

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 ジェネビエーヴ・ユーさんが傷ついたハトを連れて行くと、驚くことに建物の外では人が列をなしていた。米ニューヨーク市マンハッタンの野生鳥獣保護センター、ワイルド・バード・ファンドでの出来事だ。 ギャラリー:窓に衝突した鳥たちを救う、米NYの鳥の救命センター 「私の前にいたカップルは洋服の中に、他の人はダンボール箱に鳥を入れていました。私はレストランのテイクアウト用の紙袋の中に」。通りすがりの人はアイスクリームショップの行列なのかと聞いてきたと言う。  ユーさんはその日、ロウアー・イースト・サイドの歩道にハトが横たわっているのを見つけ、すぐに助けが必要だと気付いた。「ハトが特に好きなんです。害鳥のように扱われているのを見ると心が痛みます」。持っていた子供のオムツを紙袋の中に敷き、タクシーに飛び乗ってアッパー・ウェスト・サイドにあるセンターへと向かった。  ワイルド・バード・ファンドはニューヨーク市で唯一、鳥の救助を行っている小さな非営利団体だ。「鳥たちの救命センターのようなものです」とユーさんは話す。「救急車は基本的に、紙袋や靴箱などですね」。列に並んでいた人々とはすぐに打ち解けた。「『その鳥はどこから来たの? どこで見つけたの? 私の鳥を見る?』と、みんなで情報を共有しました」  その時のユーさんは、ニューヨーク市に鳥の衝突ラッシユが訪れていたことを知らなかった。10月2日金曜日と3日土曜日だけでも、ワイルド・バード・ファンドには220羽の鳥が運び込まれた。そのうち4分の3は、アサギアメリカムシクイ(Setophaga americana)、カオグロアメリカムシクイ(Geothlypis trichas)、その他アメリカムシクイ科を中心とする渡り鳥だ。  北米の鳥たちが南へと渡る季節は数週間前に始まっていた。渡りとともに増えるのが、衝突事故だ。非営利の野鳥保護団体、ニューヨーク市オーデュボンの科学者たちによれば、毎年市内で24万羽が衝突によって死亡していると言う。全米ではなんと1億から10億羽に上ると推定されている。  ワイルド・バード・ファンドを創設したリタ・マクマホン氏によれば、ニューヨークなど米東海岸の大都市の多くは、「アトランティック・フライウェイ」と呼ばれる渡りのルートの途上にある。鳥たちは、ここを通る際にビルのガラスに衝突してしまうのだ。

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(2020/10/12)