「デンジャー・クロース 極限着弾」 オーストラリア軍が最前線で戦った事実(夕刊フジ)

【リンク先抜粋】
 【終結45年 映画がみたベトナム戦争】  最終回はちょっと変わった作品を紹介する。ベトナム戦争をテーマにした映画はきりがないほどたくさんあるが、これは最も新しい。  アメリカの軍事同盟国であるオーストラリア軍が最前線で戦った事実はあまり知られていない。しかも本作は1966年8月、オーストラリア軍108人が南ベトナム解放民族戦線の2000人と対峙した「ロングタンの戦い」を描いているが、その功績はたたえられることもなく、50年もの間、歴史の闇に埋もれていた。  約3時間半のこの戦いで、オーストラリア軍は18人が死亡、24人が重軽傷を負った。オーストラリア軍としてはベトナム戦史上、1日の損失としては最大だった。  オーストラリア軍は1951年にアメリカと太平洋安全保障条約を結んでいたので、ベトナムに軍を送った。映画『ワンス・アンド・フォーエバー』(2002年)で描かれたイア・ドラン渓谷での戦いが契機になった。最終的には延べ5万人が従軍し、約450人が戦死、2400人が負傷した。  その後の調査で、敵兵245人の戦死者を確認している。この映画はそうした史実を忠実に守り、『地獄の黙示録』や『プラトーン』とは一線を画しているというのが現在の評価だ。  製作が実現したのは偶然だった。プロデューサーのマーティン・ウォルシュが陸軍予備役に属していたころ、偶然『ロングタンの戦い』について書かれた著書を勧められて読んだことで、何も知らなかった自分に腹が立った。以来自分が作らねば誰がやるんだと考え続けていたという。  主演のトラヴィス・フィメルは、メルボルンのプロフットボールチームをケガで引退。カルバン・クラインの下着モデルなどを務め、後に俳優に転向している。  撮影はすべてオーストラリア国内で行われた。そのため、生えている樹が違うという批評家もいたが、これは仕方ないところ。  オーストラリアとニュージーランドの兵士の愛称は「ディガーの精神」。上官の意見より互いに助け合う精神を重んじることを意味する。(望月苑巳)  ■デンジャー・クロース 極限着弾 クリフ・ステンダース監督。日本公開は2020年6月19日。

続きはこちら

(2020/10/10)