【中国映画コラム】日本在住中国人の“私”だから語っておきたい「フェアウェル」への共感(映画.com)

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 北米と肩を並べるほどの産業規模となった中国映画市場。注目作が公開されるたび、驚天動地の興行収入をたたき出していますが、皆さんはその実態をしっかりと把握しているでしょうか? 中国最大のSNS「微博(ウェイボー)」のフォロワー数278万人を有する映画ジャーナリスト・徐昊辰(じょ・こうしん)さんに、同市場の“リアル”を聞いていきます!  1983年、中国・北京で生まれ、アメリカで育ったルル・ワン監督。2019年、彼女はスタジオ「A24」とタッグを組み、自身の体験に基づいた傑作「フェアウェル」(公開中)を生みだしました。東洋と西洋の文化の違いを切り口とした、温かな家族の物語。「全米わずか4館の公開でスタートし、驚異的なヒットを記録」「公開館数が桁違いの大作を相手にしながら、全米TOP10入り」。これは、本作を紹介する際に用いられる宣伝文句。大ヒットした「クレイジー・リッチ!」(ジョン・M・チュウ監督)、大きな話題を呼んだNetflixオリジナル映画「ハーフ・オブ・イット 面白いのはこれから」(アリス・ウー監督)など、北米の観客の“アジア系映画”に対する関心度はどんどん上昇しています。  「フェアウェル」は、祖国を離れて海外で暮らしていた親戚一同が、余命わずかな祖母・ナイナイのために帰郷し、それぞれが彼女のためを思い、時にぶつかり、励まし合いながら過ごす日々を描いた作品。国境を越えた家族ドラマという側面に加えて、実は“今の中国”について、かなり丁寧に、そして客観的に描かれているんです。  私は、ルル・ワン監督と似たような経歴で、いわば海外に住んでいる中国人(中華系)です。今回は「フェアウェル」の“中国の要素”を中心に語りつつ、見どころを紹介させていただきます。  本作を鑑賞して、まず初めに感じたこと。それは中国の姿が「最も今らしく描かれていた」というものです。これまでアメリカ映画に登場してきた中国といえば、ブルース・リーやジャッキー・チェンなどのカンフーアクションにおける描写、華やかな宮殿や彫刻、もしくは全く発展していないスラムのようなイメージ。そのイメージ=中国だと信じている人がいまだに存在していますし、“今の中国”の姿を知らない方が多いんです。  海外でも人気がある名匠ジャ・ジャンクーの映画でも、中国の“今”が描かれていますが、それはあくまでもごく一部だけ。「

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(2020/10/10)