夏の味覚「かき氷」が通年化 最盛期は12月、秋冬グルメに旬の青果味わう(産経新聞)

【リンク先抜粋】
 夏の味覚「かき氷」が通年化している。寒露に向かう今の季節は、イチジクに芋、栗、かぼちゃ…。旬の青果を煮詰めたり、濾したりしてつくる濃厚なシロップが繊細な氷に溶け合い絶品だ。通年かき氷店の中でも「聖地」と呼ばれるのが、埼玉県熊谷市の「慈げん」。冷たい空っ風が吹き始めるなか、室温を30度に上げて客を迎えている。空気が乾いている秋冬は、軽くふんわりした氷が作れるトップシーズン。最も売り上げが多いのは12月という。(重松明子) 【写真】イチジクの実がブリュレされた「慈げん」のかき氷  かき氷の頂に、イチジクの実がブリュレ(炙り)されて鎮座する。氷の表面を覆うパルミジャーノ・レッジャーノチーズ。スプーンを入れると氷の中からトロリと完熟果肉のシロップが湧き出てきた。  「旬のたくさんある日本に生まれてよかったよね。季節の素材を、新しいアレンジで出し続けたい」と、慈げんのマスター、宇田川和孝さん(63)。やさしい笑顔の中にも職人肌の厳しさ、きっぷが漂っている。  店まではJR熊谷駅から徒歩で10分ほどかかるが、9割が東京など地元以外からのお客だ。壁を埋める40通り以上のお品書きの多くが1000円以上とかき氷にしては高めながら、1人あたり2、3品は注文するのが当たり前。一度に10品以上食べた猛者もちらほら。素材は二十四節気の短いサイクルで入れ替わってゆく。  「今食べないと、次はもう食べられない。通っても通ってもまた、行きたくなる」と、東京在住の常連客、大野美和さん(44)はその“中毒性”を語った。実は大手出版社「小学館」の辞書担当編集者。「どうしてこんなにもひかれるのか?」。一ファンとしての探求心から、慈げんの魅力を解剖する、畑違いの本の制作を企画した。  宇田川さんを著者に常連客や関係者120人以上が参加した「真夏も雪の日もかき氷おかわり!」を昨年発行。通年かき氷ブームを担う都内の「浅草浪花家」(台東区)や「ニッコリ~ナ(現・喫茶ベレー、品川区)」、「ほうせき箱」(奈良市)、慈げんで修業した「みこや」(千葉市)の店主も手記を寄せている。かき氷に仕込まれた隠し味、サプライズの構造も断面図で公開。  他店にまねされてしまうのでは? と、心配になるが、宇田川さんは意に介さず。「1000を超すレシピはすべて過去のもの。固定化すると自分が飽きちゃう。アイデアは常に頭の中に

続きはこちら

(2020/10/10)