ソフィア・コッポラ、型破りな父親像は「父フランシスの世代を参考」――『オン・ザ・ロック』インタビュー(クランクイン!)

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 ソフィア・コッポラの新作『オン・ザ・ロック』は、『ロスト・イン・トランスレーション』以来17年ぶりとなるビル・マーレイとのコラボレーション、と聞けば、いやが上にも期待が高まるのは抑えられない。ソフィア自身、「あの映画のビルがとても気に入っているので、その印象を壊したくなかった」と、再タッグに時間が掛かったことを認めているほど。となれば、今回はあの作品に勝るとも劣らぬチャーミングで魅力的なマーレイが拝めるということだろう。本作には、自身のパーソナルな思いも込められているというソフィアに、オンライン・インタビューで、その胸の内を語ってもらった。 【写真】『オン・ザ・ロック』撮影現場でのソフィア・コッポラ監督 ■父フランシス・フォード・コッポラの世代を参考にした父親像  実際、本作のマーレイはまたも我々を驚かせてくれる。世界中を優雅に旅するリッチな往年のプレイボーイという役柄。そんな父とは対照的に、30代後半で仕事と子育て、家庭生活のスランプに陥る娘ローラ(ラシダ・ジョーンズ)とのでこぼこコンビぶりも絶妙だ。  そもそも破天荒な父と娘のコメディを撮ろうと思ったきっかけを、彼女はこう語る。  「じつはここ数年、自分が子育てをしながら仕事をいかに両立させていくか、ということを考えていた。と同時に、友だちのなかには、この映画のように夫の忠誠心に疑いを持って、父親と一緒に木陰に隠れて夫をスパイした、という人もいて(笑)、そういう話を聞くうちに、人生のスランプに陥った娘と父のバディ・ムービーを描こうと思いついたの」。  ある些細な事柄から夫のフェリックスが浮気をしているのではないかと不安を抱いたローラは、その道のプロ(?)として父親の意見を聞こうとする。だが、相変わらず女性に目のない父は、「男の天性は、すべての女を支配し妊娠させたいと思っていることだ」などと嘯(うそぶ)き、愛する娘からのSOSを受け取ると、尾行を提案。真っ赤なスポーツカーに乗ってニューヨークの街を疾走するかと思えば、メキシコの出張先まで追いかける。娘のことを心配するというより、自分が冒険を楽しんでいるように思えなくもない。この型破りな父親を書くにあたって、ソフィアは自分の父親フランシス・フォード・コッポラ監督の世代を参考にしたそうだ。  「フェリックスみたいな男性って、わたしよりも上の世代にはよく

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(2020/10/10)