「前立腺肥大症をなめていた」58歳男性の手術体験記(ダイヤモンド・オンライン)
【リンク先抜粋】
「前立腺肥大症ですね。尿閉(にょうへい)を起こしています。尿閉で搬送されてくる男性は、だいたい皆さん前立腺肥大症です。まずは導尿して、おしっこを出してしまいましょうね」
超音波検査と導尿の後、医師から説明を受けた。
「おしっこが出なくなったのは尿閉といって、大きくなった前立腺が尿道を圧迫し、尿道が完全に閉じてしまったせいです。あなたの場合、以前から前立腺肥大症はあったのでしょう。前立腺肥大症の患者さんの50~70%は過活動膀胱を合併することが分かっています。頻尿はそのせいです。そんな状況なのに、今回はさらに大量のアルコールを摂取したことで前立腺がむくみ、尿閉を起こしてしまったのです」
「いや、大量というほどでもないです。せいぜい360mlの缶ビール5~6本ぐらいでした」
「まあ(笑)、十分多いですよ」
医師は苦笑いしながらさらに続けた。
「尿は不要な老廃物を体外に排出するためのものですが、尿閉になるとそれができなくなり、慢性化すると水腎症や腎盂腎炎などになって命に危険が及ぶこともあります。
前立腺はだいぶ大きくなっているようですから、また尿閉が起きないうちに手術を受けた方がいいかもしれませんね。とりあえず早めに、泌尿器科を受診してください」
● 下半身麻酔で手術 入院期間は6日を予定
手術の可能性があると聞いたユキオさんは、その足で、家からの交通の便が良く入院施設の整った大きな病院の泌尿器科を受診した。結果、手術は2週間後、「経尿道的前立腺切除術(TURP)」という方法で行うことになった。なんと麻酔は全身ではなく、下半身麻酔だという。
「経尿道的前立腺切除術(TURP)は最も多く行われている方法で、前立腺肥大症に対する手術的治療法では標準的手術法となっています。
ループ状の電気メスを装着した内視鏡を尿道内に挿入し、患部をテレビモニターで見ながら、肥大した前立腺組織(腺腫)を尿道粘膜とともに切除します。手術時間は、前立腺の大きさによって異なりますが、ふつう2時間ほど。手術の翌朝にはお水が飲めますし、お昼からは食事もできます。入院日数は経過にもよりますが、6日間ぐらいです」