農業改革に本腰を入れ始めたインド <HSBC投信レポート>(LIMO)

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 農業改革に本腰を入れ始めたインド インド議会は9月20日、農家が農産品を民間業者向けに直接販売をしやすくするための新農業法案を可決した。この法案は、現行法の改正および中間流通業者の排除を進めて、農家が農産品をスーパーマーケットやオンライン食品販売会社等を含む流通会社、大手小売チェーンと直接取引を行うことを可能にする狙いがある。 法案は、野党だけではなく、連立与党内からも激しい抗議が続く中で可決された。反対派は、農家が大手企業による収奪にこれまで以上にさらされると主張した。法案の可決によって、農家の売買交渉における立場は弱まり、大型小売チェーンや他の民間会社による農家支配が強まることが懸念されている。 反対派は、法案可決によって現行の農家に対する政府の作物価格保証である最低支援価格(MSP)が撤廃される可能性があり、そうなれば、零細農家は民間企業の言い値での取引を余儀なくされる恐れがあると警告する。 これに対して、モディ政権は、農家が、政府による農家保護政策の支援を引き続き受けながら、可決された新法案に盛り込まれた農業改革のメリットも享受できると強調している。 小規模かつ細分化された農地、低水準の生産性、インフラの未整備、金融支援制度の遅れなど様々な要因が国内農業の発展を阻害している。人口の半数近くを農業従事者が占めるインドでは、大規模な農業改革の必要性が数十年前から議論されてきた。 (1)必需商品法(Essential Commodities Bill)改正、(2)農家による農産品取引の推進、(3)農業就労者の権限保護・強化のための価格保証協約・農業サービス付与の3本柱から成る改革法案は、5月に財務相によって議会に提出された。 法案の狙いは大きく分けて、農家所得の向上、農業生産性の向上、農業部門への投資拡大にある。具体策としては、(1)一部の必需農産品の供給規制を撤廃し、在庫制限の導入を価格とリンクさせる、(2)農産品の州内・州間の取引(オンライン取引を含む)については、州政府による手数料、地方税、課徴金を撤廃し、自由化する、(3)農家の買い手との直接取引を認め、適切な代表者制度と紛争処理メカニズムを整備することが掲げられた。 インドではほとんどの農家は、農産品の大部分を州政府管轄下の卸売市場で、政府による保証価格で売却する。卸売市場は農家(通常は

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(2020/10/08)