携帯大手3社は値下げの方向示すも 落としどころは見えず(産経新聞)
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政府による携帯電話料金値下げ圧力を受け、携帯大手3社はここにきて値下げに踏み切る姿勢を見せ始めた。今後、具体的な検討に入るが、現段階では「政府が持っていきたい方向性が十分みえていない」(関係者)と落としどころを見いだせてはいないようだ。
政府の値下げ要請に対しては、まずKDDIの高橋誠社長が先月25日の新サービス発表会で「真摯(しんし)に受け止める」と発言した。NTTの澤田純社長も同29日の会見で「顧客の要望の一つとして値下げも検討している」と言及。残るソフトバンクも首脳と武田良太総務相が先週面会した際に値下げへの理解を示した。
携帯料金をめぐり、総務省は昨年10月に電気通信事業法を改正し、通信料金と端末代金の分離義務付けや解約手数料の引き下げなどの競争促進策を次々と打ち出してきた。だが、総務省による世界6都市の携帯料金の比較調査では3月時点で東京が大容量プランで最も高額だった。楽天が今春新規参入し大手の半額以下の料金を打ち出しているが安さだけでは大手の牙城を崩せずにいるのが実情だ。
政策で競争を十分に活発化させられない中、今回の値下げは菅義偉(すがよしひで)首相自ら圧力をかけて自発的な値下げを促した格好だ。首相は「大容量プランは引き下げの余地が大きい」と発言しており、この領域での下げ幅が焦点になりそうだ。一方、携帯大手による大幅な値下げが実現すれば、政府が競争促進のために後押ししてきた格安携帯事業者らの利用者が減ることになり「逆に大手の寡占が強まる」(関係者)との見方もある。(万福博之)