ポルシェのSUVにある“ポルシェらしさ”とは? turboをあえて選びたい理由(GQ JAPAN)
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とにかく楽しい。試乗した印象を語ろうとすると、この言葉しかみつからない。剛性感あふれるボディに、上記のとおりパワフルなエンジン。そしてそのパワーを支えるサスペンションとステアリングによる、応答性にすぐれたスポーツカーのような身のこなし……。
ベースのシャシーは前のアウディ「Q5」。しかし、最高のスポーツドライビングを提供しようという目的が当初から明確で、その迷いのなさゆえだろう、古さなどみじんも感じさせない。
低回転域から力強く、かつ3000rpmから上での爆発するようなパワー。ドライバーとの一体感が強く、SUVなのに、スポーツドライビングが堪能できるのだ。
昨今はターボチャージャーを装着していないのは12気筒と電気自動車だけ、といってもいいぐらいターボ化が常識になったものの、ポルシェは相変わらず車名に「ターボ」と入れることにこだわる。BEV(バッテリー駆動のEV)の「タイカン」にもターボというグレードがあるほどだ。
ターボへのこだわりは、つまるところ、ひととクルマが一体化したドライビングの楽しみを出来るかぎりのところまで追求するという、ポルシェのクルマづくりの姿勢にほかならない、と、私は思う。
マカンターボでは、エンジンのVバンクのあいだに設置して効率を高めるなど技術のアップデート化に余念がない。それは技術のための技術というより、上記の目的をとげるための手段なのだろう。そう思わせてくれるクルマだ。
重めに設定されたグリップ径の太いステアリングホイールを握っただけで、ドライビングへの期待がふくらむのも美点だ。回転計が眼の前にくる計器のレイアウトといい、SUVのかたちをしていても、ポルシェはポルシェなのだ。
マカンは「ポルシェサーフェスコーテッドブレーキ」をそなえている。鋳鉄製のブレーキディスクにセラミック(タングステンカーバイド)のコーティングが施されている。よさそうであるものの、試乗車は、ぜいたくにも、オプションのPCCB(ポルシェセラミックカーボンブレーキ)に変更されていた。
セラミックブレーキの常であるので、冷えているときは、制動力の立ち上がりが妙に早くて、効き方に違和感がある。しかしいちど暖まればすばらしいフィールだ。短いトラベル(ストローク)で、微妙な足の力のいれぐあいにリニアに反応する。