キルギスで大規模デモ、治安部隊と衝突 選挙不正疑惑で(産経新聞)
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【モスクワ=小野田雄一】中央アジアの旧ソ連構成国、キルギスの首都ビシケクで5日、4日に行われた同国議会選で不正があったとして、野党支持者らによる大規模デモが発生した。イタル・タス通信によるとデモには約6千人が参加。強制排除に乗り出した治安部隊との間で衝突が起き、双方で約130人が病院に搬送された。混乱は6日未明も続いた。現時点で死者は報告されていない。
タス通信によると、4日の議会選(定数120)の暫定開票の結果、ジェエンベコフ大統領に近い2つの親政権派政党が90議席超を獲得する見通しとなった。野党支持者らは票の買収など不正があったとして5日にデモを実施した。
ロイター通信によると、デモ隊の一部は6日、議会や大統領府がある政府庁舎に突入したのに続いて治安機関本部にも突入。ジェエンベコフ氏と対立し、汚職の罪などで実刑判決を受けていたアタムバエフ前大統領の身柄を解放した。
1991年に旧ソ連から独立したキルギスでは過去も政変が相次ぎ、大統領経験者2人が亡命している。
政権による選挙不正を主張するデモは近年、旧ソ連圏で頻発。ロシアでは昨秋のモスクワ市議会選の不正疑惑をめぐり、延べ数十万人が参加するデモが発生した。ベラルーシでもルカシェンコ大統領の6選発表への抗議デモが続いている。
旧ソ連圏では特定の大統領が長年にわたり強力な権限を保持する傾向が強いが、各国民の間でより民主的な体制への希求が高まっている可能性がある。