果物、家畜の盗難続発 生産者ら対応に苦慮 埼玉(産経新聞)

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 埼玉県内で果物や家畜の盗難被害が相次ぎ、生産者らが対応に苦慮している。県は柵や防犯カメラを設置するよう求めているが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う販売減が直撃する農家にとって、自前の対策は容易ではないのが実情だ。家畜の盗難に関しては、盗みに入った際にウイルスが持ち込まれ感染症が発生する可能性もあり、関係者は神経をとがらせている。  県内では8月下旬~9月中旬、ナシやブドウが盗まれる事件が続発した。狙われたのは県のブランドナシ「彩玉」や高級ブドウ「シャインマスカット」などで、神川町と上里町、久喜市、白岡市、伊奈町で計約4400キログラムの被害が確認された。  県警捜査3課は「グループによる犯行で転売目的だろう。インターネットの闇サイトで転売されている可能性もある」とみて捜査している。  神川町でナシを生産する男性(67)は「ナシ農家を47年やっているが、大量盗難は前代未聞だ」と語る。「今年は長梅雨と猛暑でナシの育成が難しかった」とも話し、手塩にかけたナシが被害に遭うことへの不安を隠せない様子だ。  県は9月中旬、県警や神川町などの農家、農協と情報共有会議を開き、盗難防止の取り組み強化について話し合った。  県は生産者に対し、柵やネットの設置、「立ち入り禁止」「農薬散布中」といったのぼりを立てることなどを呼びかけている。ただ、ある果樹栽培関係者は「コロナ禍で売り上げが落ち込んでおり、対策には限界がある」と漏らす。  家畜の盗難被害も深刻だ。5月下旬に本庄市で子豚2頭、7月下旬に新座市でニワトリ80羽が盗まれ、9月には行田市で子豚131頭、春日部市でヤギ8頭が被害に遭った。  隣県の栃木や群馬で家畜の盗難が多発したこともあり、県は8月下旬から畜産農家に対して注意喚起を行い、農場の施錠や防犯カメラの設置などを呼び掛けてきた。  とりわけ注意を求めているのが感染症対策だ。  部外者が畜舎に入れば、靴などに付いたウイルスにより家畜が疾病を引き起こす可能性も高い。県の担当者は、窃盗の防止策に加えて「消毒用の消石灰をまき、病気が持ち込まれないようにしてほしい」と強調する。  県は、窃盗被害の迅速な把握と感染症対策の両面から、飼育頭数をこまめに確認するよう求めている。(竹之内秀介、内田優作、中村智隆) ▼窃盗

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(2020/10/05)