台風シーズン 浸水対策急ぐ 鉄道各社「想定外に備え」(産経新聞)

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 秋の台風シーズンに備え、鉄道各社が車両の浸水対策を進めている。水害時に車両を別の場所に避難させる計画を整えたり、河川増水による鉄道施設への影響の有無を判断する機器を導入したりして、万全の対応を目指す。担当者らが口をそろえるのは「想定外に備える」。背景には、昨年10月の台風19号による苦い教訓がある。(江森梓)  「昨今、災害が激甚化する中で、きちんとした対策を取らなければならない」  JR西日本の長谷川一明社長は、今夏に開いた記者会見で力をこめた。JR西はすでに、大雨で浸水の危険性がある鉄道施設の対策を公表。車両を高架駅や別の場所に避難させる計画をあらかじめ策定し、実際の雨量データなどから避難の必要性を判断するとした。  JR西によると、ハザードマップが定める浸水想定区域に車両を置く新幹線や在来線車両の基地などは計46カ所。このうちすでに26カ所で避難計画が練られており、残りについても早期の策定を急ぐ。仮に車両を避難させるとすれば、避難させない場合と比べて営業運転の終了時間が3~4時間早まる。それでも長谷川社長は「ご不便をお掛けするが、ご理解いただきたい」と訴える。 ■昨秋の浸水被害教訓に  念頭にあるのは、昨年10月の台風19号による被害だ。想定外の大雨により千曲(ちくま)川の堤防が決壊し、JR東日本の「長野新幹線車両センター」(長野市)が浸水。北陸新幹線10編成が水没したのは記憶に新しい。このうちJR西所有の2編成はほぼ全損したといい、巨額の損害に加え、長期にわたるダイヤへの影響が生じた。  こうした危機を教訓に、JR西は今年8月に気象会社と連携し、周辺河川の増水から施設への影響を予測する「車両避難判断支援ツール」を各支社や指令所に導入。また、電子機器の予備品を確保したり、電気施設に浸水を防ぐ止水板や土嚢(どのう)を設置したりとさらなる対策を進める方針だ。担当者は「台風19号以前は浸水を想定しきれていなかったが、今後は想定外の災害にも対応できるようにする」と話す。 ■車両避難の訓練も  台風対策は他の鉄道会社でも進む。  JR東海は2月に大阪府摂津市の「鳥飼車両基地」の浸水を想定した初の車両避難訓練を実施。このほか関西では、京阪電鉄が夜間に車両を高架に避難させる訓練を行ったほか、阪急電鉄も車両基地などに止水板を設置した。状況次第で車両避難も検

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(2020/10/05)